第266話 地獄にいるので逮捕できるのか?

 聖カルッティ王国


王宮では、大混乱になっていた…




女王メルト・ラ・カルッティが、


玉座の上にあった珠は、


マルダス世界の想像の管理者から、


授かったものではなく、


旧文明の地球時代に、


管理者にならないかとスカウトされて拒否した


とある男が、自分の力を封印した珠の内の1つ


であって、それをマルダス世界移民宇宙船ごと


奪った事を、ゲロさせられていたからである。





どえらい事だと気づいた王女達…



第1王女 ハーノ・ラ・カルッティ

「まさか…その、とある男って…


経典に書かれている、救世主様ではないよね?」



女王 メルト・ラ・カルッティ

「実は、そうなんじや〜


ワシは…わしは詐欺師なんて呼ばれていて、


こちらの話なんて、とても聞いてくれん…


だから…オババ達は彼のクローンを


作る計画を立てた。


それが、マルダス世界救世計画だった。



しかし、完璧なクローン体を作っても、


魂が呼ぶことができず…ダメだった…



まだ死んでいない! 必ず生きてる!


いつもヴァーミリオン姉妹と喧嘩していたのは


このことだったんじゃよ。



ある日…


ヴァーミリオン姉妹達が…


突然、辞表出して、


バボン王国とホロン王国に行った…




その時すでに、計画は


復活から合成に変わった…


あの男を合成しようと…


そして、自分達の言うことを必ず聞く


都合のイイ奴を合成しようと…


オババ達は、ろくなものを作って無かった…


もっといろいろ作っていたのだが、


実のところ、よくわけわからん存在とかを


合体させたり、融合させたりしていたらしい…


そして、2つ珠があったのだが、


オババ達が、1つ弱い光の方を実験に使って、


なくしてしまったとか言っとるが、


合成して、失敗したと思う。


どこかにあるはずだが、


あの二人は口を割らんのじゃ…




まさか…ゴブリン・ジャイアントや


オーク・ジャイアントも作っていたとは…




なぁどうすればいい…」




うなだれる女王…



そこに、聖カルッティ王国にとっても


凶報がやってきた。



バボン王国の魔の森砦の要塞化であった。


戦争やるつもりかもしれない…。



それだけではなかった!



フロン皇女(大海賊王フロン様)が


ライブ放送で、封印の再封印を要請したのだ!



ホロン王国も、ブリードル帝国も、


続いて、放送した…



再封印… 確かにそんな業務あったよね〜


なんて、簀巻きにされた大オババが言っている




ダメだ… こいつらやる気無し…



第3王女 メルード・ラ・カルッティ

「オババを強制派遣します!


使節団の用意を! あと、サボリ事務次官!


あなたを今から第1外務大臣に任命します!


一緒にブリードル帝国に行き、


国交を回復してきなさい!」



第1外務大臣サボリ

「え!そっそんな! 」


第1王女 ハーノ・ラ・カルッティ

「これまで、仕事してこなかった


ツケが来たのよ!行け!拒否権はない!」



オババ

「わしは今、法力もスキルも魔法も使えん!


なぜかわからん! 


善行をこれでもかと積んだワシが


なぜこんな目に会うのじゃ!


コラ!人の…いや…もはや、か…」



ボバキィ!


オババが、世迷い言を言いそうだったので、


思いっきり第2王女に殴られ…


気絶したところで、


第1使節団は強制出発した…



大オババ

「まぁ、そのあの珠が無いと、


この国はまずい事になる。


封印が、壊れかけているのか…


復活計画は…進んでおらん…


もはや、頼みの綱は…世界樹か…


早く世界樹のダンジョンを消して、


世界樹を復活させないと、邪神に対抗する


力が何もないことになる。」




女王メルト・ラ・カルッティ

「と言うわけだ…


ヨー・ヨーガを連れてこい!


世界樹のダンジョンを消さないと…」



第2王女 プルト・ラ・カルッティ

「なんか、無理な〜?いや無駄になる予感が


するな〜!」


第3王女 メルード・ラ・カルッティ

「それって、まさか「予感」?


それとも「予言」スキルの方?」


第2王女 プルト・ラ・カルッティ

「両方ね…」



大オババ

「うるさい! 世界樹を起動しなければ


この事態は納まらない!


これは、わかっていることじゃ!


早く呼び出せ! 


こうなったら例のブツを使うぞ!


強制的にでも、


世界樹のダンジョンを消させる!」




第1王女 ハーノ・ラ・カルッティ

「どう? なにかスキルに反応合った?」



女王 メルト・ラ・カルッティ

「どうじゃ? 例のブツを使うなんて


言っとるが…あれ起動できるのかいな?」



第3王女 メルード・ラ・カルッティ

「出た! まず予感の方ね…


地獄を見る?…って感じで…


次は、予言の方ね…


よく見ろ!そして、謝りに行け!って…」



女王 メルト・ラ・カルッティ

「地獄… よく見ろ… 


なにかを見落としている?ということが?


なんだ? 」



近衛兵士A

「あの、世界樹のダンジョンの監視映像で


気になるものがあったのですが…」




第1王女 ハーノ・ラ・カルッティ

「気になる? 見せてちょうだい。」


それは、夜中の深夜、公文書の羊皮紙が一枚


ダンジョンに入って行く映像だった…



(「マサキ」が、用からもらった公文書を、


心霊現象みたいに見えるように、糸で繋げて


引っ張っただけの事)



女王メルト・ラ・カルッティ

「まさか、「よく見ろ」とは世界樹の事か?」


(マァ セイカイ カモ…)




諜報部長ゲケス

「大変です。ヨー・ヨーガは、


今バボン王国にいません。


現地の部下に元公爵派の貴族を拉致させて


自白剤を打ちましたところ、


魔人国シャングラーに行ったみたいですね。」



大オババ

「クソ! こうなったら、


国宝メガ・サーチを使うぞ!


城の魔道士全員呼べ!


あとは、言うことを聞かないなら!


ワシの数少ない成功作!


「地獄のドレイ首輪」を使うぞ!



用意しろ! 転移魔法陣も用意だ!」




近衛魔道士長A

「メガ・サーチ用意出来ました。


転移陣用意完了しました!」



大オババ

「やれ!」


近衛魔導士副長B

「MPが足りません! 


大オババ様お願いします。」


大オババは、スキルとか今使えないコトヲ…


ジハクサレマシタ…



大オババ

「うグッ( ;˙꒳˙;) なぜ可憐な乙女の…


それも善行を積んだワレが、


こんな、スキルが今使えないなんて、


言わねばならないんじゃ〜(泣)」



第1王女 ハーノ・ラ・カルッティ

「オェー… ねぇ、その気持ち悪い芝居


やめてよね…ったく!


ハァ…世界樹使えないと悲劇かぁ〜。


仕方ない。私が補助するから、


あとお願いね。」



国宝メガ・サーチが起動する。


地獄にいる用が映し出される!


メガ・サーチの横には、


マルダス世界の各国すらも持てない


精密地図があるよだが…


全く何処に、いるかの矢印がつかないのだ!



そりゃそうだ! 用は今、生きながら生身で


地獄にいるのだから…




近衛魔道士長A

「メガ・サーチはヨー・ヨーガを探知!


しかし、国土のどこかを特定できません。



(ピピ!)えーと、この世ではない!


と、表示されました。


私達は、行きたくありません。」



しかし…


用の姿を見た大オババと女王は…



女王

「ハァ? まさか… 


いや幼い頃隣に住んでいた時と同じ…


いや本人だ…間違いない…


本当に生きていたのか…


だから… それならS級ダンジョンなんて


ただの洞穴だ…」




大オババ

「ヒャヒャヒャ! 生きていたのか!


それなら、ゾンビ化なんて不可能だ!


だが、この「地獄のドレイ首輪」で逮捕だ!


これで、ワシのもの!


あ〜夜が待ち遠しい!


ジュルリ! いかん、ヨダレが…


あ〜がまんできん! 体が火照る!


うひゃひゃ! 行け! 捕まえてこい!


行くんだ!」




近衛魔導士副長B

「イヤだ!行きたくない!」



涙を流して泣く女王…


ヨダレとニンマリと悪魔の笑みを浮かべ、


ゲヒョゲヒョ笑う大オババ…



王女達は、転移魔法陣を起動させる。



そして、第2王女がその場を離れる。


そして走り出した!


助走をつけたドロップキックを大オババに


喰らわす!


第2王女 プルト・ラ・カルッティ

「行ってらっしゃい!」


大オババ

「ゲヒョ〜!」



変な掛け声と共に大オババが転移陣に入り、


そして、消えていった。

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