第263話 地獄の谷の…

用は、2つの球状のアンテナをゆっくりと、


回しながら結界術を使い、足の裏に


薄い板状の結界を展開して足場にしていた。




「これって、結界をコウモリっぽくすれば、


フライングスーツみたいに出来るな〜


やってみるか? うわ! 


ゴキブリの大軍がまた来たよ!


AIさん、手はず通りで行こう!」



AI

「了解しました。目標ゴキブリ!30匹!


ロックオン完了! 追尾システム稼働良好!


いつでも大丈夫です!」



「クリア・ダークボール!」


30のクリア・ダークのボール版が浮かぶ!


あとはAIが誘導して、


ゴキブリに当てるだけなのだが…



そう!ゴキブリ1匹見たら30匹以上を覚悟しろ!


なんて、ゴキブリ殺虫剤のTVのCM文句に


なるくらいだから…



来ました!ゴキブリ1000匹以上!



AI

「ギャー!(゚Д゚≡゚Д゚)


ゴキブリ、ゴキブリ、ゴキブリ、ゴキブリ!



用様!逃げましょう! うわ〜!」



用は、レーダー波を出力最大にして、


何かを、探す…



あった! 山だ! そちらに結界を張りながら、


全速力で走り出す!



洞穴が、あったので逃げ込む!


「クリア・シールド!」


クリアの魔力壁状の膜を洞穴の入口に貼る!




AI

「偽装!偽装!…完了です! これで、この洞穴の入口は山肌に偽装出来ました!


ところで聞きたいのですが、


ここに来たことあるのですか?」



「前世の俺があったらしい。前はこんな、


黒いマグマが流れる所ではなくて、


かなりおどろおどろしい所だったみたい。


で、聞きたいのはなぜ、


わざとここに飛ばされた理由かな?」



AI

「はい。トロイちゃんと、トロイアルちゃんは


なんとなく諦めモードだったようですが、


私は違いますよ!」



「たぶんだけど、初代の勇者軍団以外の


拉致された歴代勇者達の肉体は、


マルダス世界ではない世界に


封印された可能性があると、


前世の俺は思っていたんだ。


そこに、


❨?❩のヘル・ゲートクラッシャーだろ?


たぶん、この世界…第11号地獄に、


「タツヤ」さん達の身体が


封印されているかもしれないんだよな。



それに、これ!」



用が、腰のベルトに着けていた、


マジックポーチから、


結界でガチガチに封印した「❨?❩の黒い珠」を


出した。




AI

「うわ! あの時に封印したのですか!


と言うことは…今頃…


❨?❩はエネルギー枯渇ですか?」



「そうなの? これをおそらく、


封印の鍵代わりに、使えそうだから


慌てて、封印してもって来たけど


どうしよう?


まぁ、「タツヤ」さん達救出してからだな。」



AI

「用様? ここからどうしますか?」


「とりあえず寝ようと思う。


ゴキブリ駆除しないと、この先はキツイ!


シューティングゲームじゃあるまいし、


ゴキブリをスキルで撃ち落としばかりだと、


MPも、持たないよ!


えーと、偽装テントと快眠寝袋!


では、おやすみ〜」



AI

「では、天界に報告しておきますか!」




□□□□□□□□


6時間後…


「よく寝れなかったな〜( ³ω³ ).。o」



AI

「朝寝しますか?」


「やめとく! 」 


AI

「マッピング出来てます!


この洞窟を、先に進むと何か大きな谷に出て、


そこに、集落があるようです!」



「ほ〜! 大きな谷に集落か!」



用には、なぜか昔見た


アニメ映画を思い出していた…



AI

「何を期待しているのですか?」


「いや、その…


俺なクラスじゃボッチだったからな〜」


AI

「ほうほう… なるほど!


いい出合いを、期待していると!


この地獄で…」



「怒るなよ… なんとなく映画と…


あれ? そういえば…何処かで見たと


思っていたけど、あの黒いマグマの風景…


黒じゃなかったら、


あれは、枯山水の庭だ!」



AI

「枯山水?なんですかそれ?」


「日本の禅宗のお寺の庭だったと、思う。


学校の教科書に載るほど有名なんだよ!


悟りを開く為の修行する場だな。」



AI

「悟りですか? 」



そんな事を言いながら洞窟を奥に進んで、


外に出ると、大きな谷があって木造?の


家?がある集落っぽいものがあった。




やはりここは地獄なので、


周囲を警戒しながら近づく…




集落から…人?が出てきた?


「人が住んでいるのか?」



そして、出会ったのは…






二足歩行のゴキブリであった…



「俺の…オレの淡い期待を返せ〜!」


頭を抱え込む用!


AI

(.ㅍ_ㅍ)ジーと、見つめるAI。




ゴキブリ兵A

「ゴキー!」


ゴキブリ兵達が出てくる出てくる!


もちろん!乱闘戦になりました!



なぜか、悲しい泣いているような顔で、


スキルを撃ちまくる用!


ゴキブリ兵を全滅させるのに、


一時間もかからなかった…

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