第240話 ブリードル帝国の誤算8
フロン海賊団と海軍が
沖合の海賊団島に避難した頃
ブリードル帝国の王都では、
新皇帝の就任式の準備が、始まっていた。
しかし、各国の王の姿なぞない。
それどころか、使者の姿すらなかった。
新皇帝就任予定のリッパー
「フン! まぁいい! そうだなまずは、
北のホロン王国! ここを攻めよう!
おい!近衛兵士団!
就任式が終わったら!
直ぐに出兵だ!
血祭りにあげるぞ!」
そんな、ことを言っていたが、
就任式が始まる予定の昼の12時の30分前に、
そして、魔導通信で全大陸ライブ放送中に
使節団がやって来た!
そして、ここにリッパー達の
大誤算が始まる。
な!なんと!魔人国からの使節団であった!
リッパーは、大陸全国家を対象に
宣戦布告の事を言っていたが…
全国家に、魔人国は入っていなかった!
新実験大臣就任予定のジーネ
「リッパー!流石にこれは予定外だぞ!」
新虐殺大臣就任予定のカスーノ
「チィ! ライブ放送が始まった時に…
狙って来たのか? それとも偶然か?」
魔人国シャングラー使節団
四天王 タカ・ジ・アスターゼ
「今日は、お招きいただき
ありがとうございます。
我が国、ジャングラーの王は今
ゴブリン・ジャイアント軍団のと戦闘で、
床に伏しており、代理として
四天王 タカ・ジ・アスターゼが
参内しました。」
いきなり、式典会場王座の前で言い出す。
そして、そこからが衝撃的な誤算発言が
始まった!
四天王 タカ・ジ・アスターゼ
「ブリードル帝国とは、
バボン王国とフロン王国に進攻時に、
共同にて出兵して、その後その戦果にて
帝国との平和条約を結ぶ決まりでしたが、
実は王は戦果はいらず、無条件にて
平和条約を結びたいと、
前皇帝に言っていましたが
無視されていました。
どうか新皇帝陛下、
平和条約締結をおねがいしたい。」
これが、ライブ放送されてしまった!
リッパーも、就任前にカッコつけたい!
新皇帝予定リッパー
「(聞いてねえぞ!あのクソ弟よ!チィ!sit!)
よかろう! 我が弟の前皇帝は知恵が足らぬ
愚か者であった。
だが、我は違う。
話し合う意思を見せる国家に
それ相応の対応をすることをここに示そう!」
皇帝就任式が終わり…
なんと、カッコ付けるために、
その場で魔人国と平和条約を
魔法契約でやってしまったのだ!
しかも国印で!自分の血を
朱肉(インク)に使って!
それを魔導通信で見ていた各国は、
あぜんとした!
まず、国印が発動したのだ!
これは、新皇帝が皇帝の血筋である事の
証明である!
そして、魔人国と平和条約…
しかも…国家魔法契約である…
こんな事、初めてである…
海賊団島で就任式を見ていたフロン皇女は…
ガキィ!
アゴが、外れた!
潜伏先の王家緊急避難場所で見ていた、
他の皇族も…
あぜんと、していた。
そして、会話が始まる。
第4皇子 ノックス・ラント・ブリードル
「フロンは大丈夫だろうか?」
第2王妃ポリューション・ラント・ブリードル
「あら?フロンの心配をしてくれるの?」
第4皇子 ノックス・ラント・ブリードル
「彼女は、私の研究の理解者です。
それに、
こんな事もあるかもしれないからと、
航海の時に、獲得した
国宝級のマジックバックをくれたおかげで
研究室と倉庫ごと、避難出来ました。
彼女は、国政のリスクをかなり予想できる
人間なので、大丈夫かと思いますが…」
第6皇子 ドブラット・ラント・ブリードル
「ハァ? 研究室?持ってきた!
バカヤロ!そんな戦争に役に立たないもの
なぜ持ってきた!」
第5皇子 バッド・ラント・ブリードル
「バカヤローは、お前だ!
研究室あったら、ポーションとか
作れるだろ!薬草の倉庫だって必要だ!
りっぱな過ぎる戦略物資だよ!」
第2王子 スモッグ・ラント・ブリードル
(第2皇女フロンの実兄)
「通信珠が、光っている!
フロンからだ!」
フロン皇女
「大丈夫ですか? 今、そちらに使いの者を
送りました!
ここの要塞にて、
体制を立て直す準備をしています。」
第6皇子 ドブラット・ラント・ブリードル
「戦力は今は、分散したほうがいい!
あのリッパーは怖さを感じる。」
第2王妃ポリューション
「フロン、ドブラット殿下の感覚は
正解だと思います!
私も、実家のしきたりで名を伏せて
冒険者をしていた時代、
奴らと戦闘になりましたが、
やつには、三段階の
限界突破スキルがあります。
一段超えるだけで、別人の強さになります。
強かった! それが当時の感想ですが…
その、撤退する時に見ましたが…
かなり無駄が無くなり、
恐ろしい強さをもって戻ってきた
と言うのが、私の感想です。」
そう寝ていた、第1皇女と第6皇子を抱えて、
第5皇子を叩き起こし!
近衛兵士長達を率いて撤退したのは、
第2王妃ポリューションであった。
今の戦力は近衛兵士、千人足らず…
城の半分の兵士が、
たった3人に戦闘不能にされたのである。
つづく…
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