第229話 ブリードル帝国の誤算3
ブリードル帝国王宮
今日は、カイギの日であった…
寒い!
今この城で暖炉に火があるのは、
この会議室だけであった…
なので、部屋から出たくない者達は、
真面目に議論を、する。
そうしないと、すぐにお開きになるからだ!
国内に薪が足りない!
あの合成石炭? 合成石油?は
爆発する…
我々の今の技術では、
石油から、プラスチック?などを
作るのは無理だろうと、
召喚した勇者・帆山から言われた。
前勇者、前前勇者の残した記述とも合う。
いくらか、聖ボロボーン王国が
技術者を召喚していた記録があるが、
成果が、見られない。
その点、この合成石油?合成石炭?を
作った、ヨウ・ヨウガを呼ばないと。
フロン皇女は、
「部下に色仕掛でもいいから、
こちらに、連れてこい!」
などと、日頃言わないような
命令まで出した。
そして、「バラの砦」の(腐の紅茶)から
報告書が来る。
皇帝
「なに! S級 SS級ダンジョンが
攻略されていただと!」
やはり、噂だけではなく、
現地の調査報告と、
冒険者ギルドマスターの言葉の方が
現実味がある。
宰相
「(まずい!まずいぞ!このままでは!)
皇帝陛下、
ここは新たな勇者召喚するべきです!
国内の戦力が圧倒的に足りません。」
フロン皇女
「反対です!
宰相!貴方主導で、勇者召喚して
あのゴミを召喚して、まだ懲りないのですか?
あのゴミ人間に焼けないゴミ!
この聖ボロボーン王国の資料でも、
召喚陣を使うと、作物不作!天候不順!が
発生すると、書かれてます!
作物に続いて、
天候不順からなる、この寒さ!
もう、この王都には王城しか薪がないのですよ!
もう、召喚陣は使用しない方がいいと
思います!」
宰相
(そんな事、わかっている!
だが、ワシの地位がこのままでは危ない!から
やってやる!)
「しかし、どこかのボケ領主のせいで、
勇者達のほとんどが、爆死!
残ったのは、ほとんど使えない
杉谷達!
どう、派閥の長として責任を取られる
おつもりかな? 第3皇子殿?」
宰相は、フロン皇女には頭が
上がらなくなった状態なので、
元皇太子派の第3皇子に
八つ当たりする事にした。
元皇太子派にいた、第3王は皇子は
今、危機に直面していた。
フロン皇女に宿での密会現場を暴かれ!
婚約者からも、問い詰められ!
今日のこの会議の次の議題が、
自分の廃嫡と、
王都で密会相手のパン屋経営である…
第3皇子ダイオキシン
(本編・名前初登場)
「われは思う!
この国難を切り開く方法を!
まず、暖房問題!
魔の森を切り開くしかない!
次に、食料問題!
南のバボン王国も
オーク・ジャイアント軍団との戦闘で、
食料が、輸出出来ないくらい消耗している。
なら、北のホロン王国から奪えばいい!
そこで、いるのが即戦力!
即戦力なのだ!
冒険者を雇い入れるだけではだめだ!
異世界召喚でも、即戦力を召喚するのだ!
これまで、育てる?
そんな生ぬるい事ではだめだ!
今生きるには、異世界召喚しかない!」
この男、召喚するだけして
責任をフロン皇女にかぶせて、
成果だけ取り、返り咲く事しか
考えてなかった!
だが、甘かった!
フロン皇女(大海賊王フロン様)
「ほう!いうではないか!
なら、全て第3皇子殿の責任において
その派閥の諸侯達が責任を取ると言うのなら、
やって見ては?
私は、召喚に反対だ!
親父、どうする?」
第3皇子ダイオキシン
(なんだ!フロンの雰囲気が変わった!
海賊団の王となったと聞いていたが、
まっまさか…本当なのか?)
皇帝
「うむ、そうだな。
戦力がいる。それも正論!
召喚は国力を削る!だから控えるべき!
それも、
この寒波と食料難の結果からだと正論!
ダイオキシンよ!
お前に、食料難と薪問題を解決できるのか?」
第3皇子ダイオキシン
「は! おまかせしてくれれば!
そこのフロンよりも、成果を…
ひ!」
フロン皇女(大海賊王フロン様)が
海賊王モードで殺気をダイオキシンに
向ける!
皇帝
「フロンは、成果を上げている!
この宮殿が今あるのは、
フロンの成果が大きい!
ダイオキシンよ!
お前とお前達の派閥が全責任を背負って、
出来ると言うなら、やってみろ!」
第3皇子ダイオキシン
(やった!やったぞ!これで廃嫡は
ひとまず回避だ!後は、
フロンになすりつけるだけ!)
「では…サポート役としてフロンを…」
皇帝
「ならぬ! 全て自分でやれ!
フロンには、次の大仕事がある。
今すぐ、お前達は準備にかかれ!
行け!」
第3皇子ダイオキシンと、旧皇太子派が
会議室から出される!
「寒い!」
会議室以外、寒い王城…
皇帝
「フロンよ、大仕事とはわかるか?」
フロン皇女(大海賊王フロン様)
「ヨウ・ヨウガをこちらに、
引き入れることです。
あと聖カルッティ王国には、
我が国に泥を飲ました責任を
取らせるつもりです。」
宰相
「それも大事だが…」
フロン皇女(大海賊王フロン様)
「そこで、これはまだ仮の案ですが、
王太子が横領していた財産を使って、
バボン王国のヨーガ商店から、
木炭を購入してはどうかと思います。
ポーションは、裏ルートでしたが
正規ルートを開拓して、まず
ヨウ・ヨウガとの友好関係を作らないと
いけません!
なので、あの砦の隣町の領主一族は
公開処刑要員として牢屋に確保しています。
嫡男がいれば良かったのですが…
勇者自爆要員強要の断罪と、
商品購入によるルート開拓に
部下に命じましたが、色仕掛けと
オプションで、仲が悪い杉谷の処刑とか、
ゴブリン・ジャイアントとタイマンで
戦える猛者を、武力で呼ぶのは無理ですので、
これくらいしか、今の選択肢がないと
思われます。」
皇帝
「宰相?どうだ?」
宰相
「はい、それしかないと思います。
フロン皇女
先ほどは申し訳ございませんでした。」
フロン皇女(大海賊王フロン様)
「かまわないよ。
戦力が足りないのは、ここに残っている
諸侯も感じていると思う。」
その後、会議は憤狂した!
そう、叫び 狂い 憤った!
なぜ?
ヨウが、もし勇者自爆を怒っていたら?
責任者はゴブリンに殺されました!
では、収まらないのは
当たり前なのだ!
せめて、あの領主の嫡男でも捕獲できれば!
つづく
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