第205話 用の図工作室その1

聖カルッティ王国で、


オババ殿が聖水?ならぬ雑巾の絞り汁を


一気飲みしている頃、


用は…



パイン街の用の屋敷地下錬金室


用は、ガラスを作っていた!


じつは用は真空管式の電化製品は、


叔父の銭形が趣味で持っていた、


真空管式スピーカーと


ラジオを見たことがあった。




それを作ろうと言うわけだ!


真空管作って、どうするの?


ICチップ作れや!


なんて言う方いるでしょうが…


高校生の普通科では、


ICの回路とかは学ばない。



7ナノの世界で回路を作る!


うん、すぐには無理!



だから、まずは真空管から〜


じつは、用には勝算があった!


図書館で見た、


昔の新聞のペーパーバックに、


某大国の戦闘機のコンピューターが、


IC無しの真空管メインだったらしい。




つまり、工夫すれば真空管でも大型になるが、


回路は作れる!


空間?ダンジョンコアがある!


戦闘機位は作れるかも!



「戦闘機は止めた方がいいと?」


執事・大俵

「はい、儂らもロクな思い出しかないけど、


この世界は、良識をもっているものが、


少ない。


まだまだ、論理が育ってないです。」



「そうだよね。学校とか作ろうか?」


執事・大俵

「給食は、いいですな!


儂らの時代は、尋常小学校でしたが、


農繁期は、労働力として駆り出され、


腹が減って、


勉強なんて、ほとんどできませんでした。」



「よし(๑•̀ㅂ•́)و✧やろう!」


第2王子?ミルト

「お父様から、ここを任すとのことなので、


どうしましょう?」


「大人も、通える学校を作ろう!


子どもは、義務教育で


全員に給食支給しよう!」



ドリズ

「そういえば昔、前勇者タツヤの提言で


冒険者学校が、作られたな?


まだ王都に、あるはず。


給食と言うのも、タツヤ言っていたな。


そうか、学べる所があるのは大事だな。」



モデル校があるらしい。


ただ、貴族が幅をきかせているから


よく、厄介事が多かったみたいだ。



そんな感じで、学校建設も決定した。


教師どうしよう?(゜゜)



まぁなんとかなるか?


それよりも、復旧作業!


用は、今あまり表に出られないので、


ドリズ達に、任せる!



さて!


まずは、


砂漠の砂から、アルミニウムを精錬しよう!



そして、ガラスとか作る!


そこで、ふと思った!



あれ?


あれ?


何かおかしい。


かすかな違和感は、なんとなくあった。



これまで、気にする余裕が無かっただけで…



ようやく、違和感の輪郭が出てきた。



この世界、異世界からの技術とか、


習慣?とか導入された形跡はあるが…


続いてない!


それは、変装して


パン屋をやっていた時もあった。



発酵と言う言葉はある。


だけど、それを単なる放置とか、


全く別の動作に置き換わっているのだ!




こねる! この動作も、無くなっていた。


だから、クソまずい黒いパンばかり!




ガラスにしても、当てはまる。


ガラス窓だった物があるが…


木の板がはめ込んである。


これだったら、全部木の板の方が


強度的にもいいのに?




すたれている?


自然と合ってないから、廃れた?


いや、いくらなんでも風化が早すぎる!



剣でもそうだ!


単なる、剣の形っぽい鉄の塊だ!


精錬所とか、炉があるのに


なぜか鍛えない!



だけどナイフだけは、叩いて鍛える。



モンスターと戦うのに、


剣や、槍も使うからには、


高性能を求めるだろう。


だが、ミルトに王族の剣を見せてもらったら、


やはり、剣の形の鉄の塊であった。


研いですらいない!



ミルトに聞いてみた!


「剣とか、鍛えないの?


こんな風に?」


実際に、炉に木炭を焚べて、


鉄を溶かして玉鋼を作る。


そして、刀を実際に


おぼろげなテレビで見た記憶の


みよう見まねだが、


やって見た!


ドリズは、「タツヤがやっていたな~」


との感想。


受付嬢マイナは、「初めて見た!」


らしい。


炉とか打つ工程は、


ドワーフ達がナイフを作る時に使うだけで、



剣には、使わないらしい…


ナイフの特殊特許に違反するからだと…


どうやって斬るのかと


聞くと、魔力で刃を作るのだそうだ!



ガラス窓の事も聞いたが、


ポーション瓶に貴族の特殊特許があり、


そのせいで、廃れたらしい…



あれ?


この世界


根本的に改革しないとやばくない?

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