第190話 駆け込み寺?いや…寺ではないのですが…





 フーヒィー


 フーフィー


 走る王妃達…そして、ハタっと、止まる。

 体力が尽きたワケではない。

 側近達も、初めはわけがわからん顔だったが、やっとわかってきたみたいだ!



 そう!肌寒い…

 魔の森の瘴気がほとんど無くなっていた、それが、王妃達がここまで移動できた理由…

 恐らく、聖カルッティ王国ではない!

 ブリザード公国だと!


 まずい!

 まずそう思ったのは、ブリードル帝国第1王妃!

 皇帝とプリナ女王は、仲が悪い…

 そして…聖ボロボーン王国とは…すごく悪い…



 そして、ブリザード公国はバボン王国と仲が悪い!

 ホロン先王とバボン先王は、色狂い!

 いわゆる色魔であった!

 気に入れば、たとえ6歳の女の子でも、城のベッドに縛って連れて行った!

 もちろん、良識ある貴族は困った…

 娘達を、外国に嫁がせようとした!

 しかし…ブリードル帝国は鬼皇帝… 

 聖ボロボーン王国も色鬼!

 聖カルッティ王国は怪物オババ…

 

 留学と称して受け入れてくれたのは…ブリザード公国だけであった!


 召喚勇者達の言葉で、駆け込み寺!

 プリナ女王のいつもの叫び

「うちは寺ではない! 公国だ!」が一時期、大陸全土のトレンドになったほど!


 王妃達は迷った。

 どうしよう…

 自分達の、出生の事が重くのしかかる。



 そこに、声が…

ブリザード公国 第3王女 フリーザー・デ・ブリザード

「あらあら! 声がしたと思ったら!」


動揺が走る王妃達!

「わたくし、ブリザード公国の第3王女 フリーザー・デ・ブリザードで、ございます。

 お久しぶりでございます。

 王妃様方。

 ようこそブリザード公国へ。」


 「今、現在ブリザード公国はブリードル帝国とホロン王国、聖カルッティ王国達の我らの主様への、宣戦布告とも取れる態度・行動により、臨戦体制に入っております。

 入国されるのでしたら行動の制限がございますが、よろしいでしょうか?」


ホロン王国第1王妃

「宣戦布告? 臨戦体制! ホロン王国はいったい…」


ブリードル帝国第1王妃

「あなた達の主様?  プリナ女王陛下に…????」


バボン王国第1王妃


「? ホロン王国が敵対。

   ブリードル帝国も敵対…

   バボン王国は違う?…

   プリナ女王陛下に、逆らうなんて一体なにを…」


 そう、聖カルッティ王国のオババ達ならやりかねないのは、規程路線…

 ロクでもない国!

 それが、聖カルッティ王国!!

 それは、どこの国の王族でも常識であった!


 それに、対してプリナ女王は、あんまり…とやかく言わない…

 この世界が、できた頃からおられる女王…

 賢者すら、かしずく慈悲ある女王だった。


 その女王に、宣戦布告!

 なにをやったんだ!

 しかし、3人の王妃達には選択肢がない。

 「「「よろしくおねがいします。」」」

 その時、王妃・従者全員の身体が光る。

 魔法契約である。


 ブリザード公国内で、勝手な事が出来ない。

 そういう契約である。


第3王女 フリーザー・デ・ブリザード

「どうぞ、こちらに。」

 フリーザー特戦部隊に案内されて、王妃達は、本当に臨戦体制に入っていると認識して、驚愕する。

 しかし、もっと驚愕(きょうがく)する事になると、王妃達は思ってもいなかった…



つづく…

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