第189話 魔人国から…2

 



 ある日、魔人国王は解呪のため…

  滝業をしていた!


 魔人王

「キョエー!

 だめだ!

 ガタガタ!

 寒い!寒すぎる!

 地球ではこんな修行をやっているのか!

 強いはずだ!

 なんで、こんな苦行やって魔法使えないのだろう?」


 そんな事ぼやいていたが…

 根は真面目な男!

 滝に打たれて3分でリタイアしたが、初めてにしては、なかなか…

 そんな魔人王を見ている元勇者達…

 魔人王の行動がきっかけなのか、最近、会話が弾む。


 そこに…轟音が響く!

 地震が!

 そして、「魔の森」がざわめき出した!


 

 ゴブリン・ジャイアントvs用が始まったのだ。


 魔人王

「魔の森の状態は?」


 宰相

「最悪です! 瘴気が薄くなり、魔素が枯渇!

 もはや、ただの森になるのも時間の問題です!」

 四天王達から、軍部の戦闘準備ができたと報告が来る!


魔人王

「全国民を避難所に、集めよ!」


 ドン!

 用が吹き飛ばされ勝負は佳境に入る。


 そして、


ビー!


ビー!


ビー! 


ビー!


 警報が鳴ってしまった!


 国境の「魔の森」の瘴気を、ゴブリン・ジャイアントが根こそぎ吸収したことで、瘴気がゼロになった!…

 そして、魔人国は「魔の森」という、バリケードが無くなる!

 その警報である!

 しかし、本当の危機はそれでは無かった!

 そのことを、魔人王は痛感する!


ドオーーーーーーーーーーーーン!


 白い巨大キノコ雲ができる!

 その光が、魔人国内の呪われた施設に差し込む。

 解呪されたのだ!

 凶暴を誇った過去の魔人王達の負の遺産…

 近寄るだけで、呪われる負の遺産!

 それが、白い灰となって、崩れて消えた…


 普通なら、喜ぶ! 喜ぶよ! 確かに喜んだ!

 しかし、どん底に叩き落とされる!



 魔人国の空を下半身が吹き飛んだ、ゴブリン・ジャイアントの上半身が聖ボロボーン王国に向かって、吹っ飛んでいくのを全魔人国民が見る!

 絶望に歪んだゴブリンの顔!

 絶望が、魔人国全体に感染する…

 赤子は、声を出さずにただ涙を流し…

 その母親は、虚ろに空を見上げ…

 その父親は、力無く膝から崩れ落ち…

 その傍らの子供は、空を見ながら固まる…



 聖ボロボーン王国…

 囚われた、3人の各国の第1王妃達


ホロン王国第1王妃

「なんのマネです!こんなことして!」


ブリードル帝国第1王妃

「貴様! まさか! 確か行方不明だったはず!」


バボン王国第1王妃

「娘達? そうか! そういうことか!

 つまり、ここにいる3人とも、母親違いの姉妹と言うわけね!

 元お父様!」 


黒い人型A

「元だと…ぐぁー! フヒヒヒヒ!

 ふーん!、よくわかったな!

 身体も、魂もお前達の父親を使ったが…なぜわかった!

 言ってみろ!」


ホロン王国第1王妃

「ハン! あいつはね、世間体を気にするのよ!

 いつも仮面かぶって、素顔を出さない!

 声すら変える!

 だから、こんなことしない!


 娘と言うことをバラすと殺すって、どこの誰かすらわからない謎の男なのに、実の娘に殺すって何回もいうほどにね!」


ブリードル帝国第1王妃

「世間体か…確かにな…だが!1番の違いは、あんたの方が理知的すぎるのよ!

 いつも、ゲス笑いしかしてないあのブタが、イケメン笑いはしない!」


バボン王国第1王妃

「もっと、ハッキリと言ったら!

 私と同じ血が流てるのよ! しっかりしろ!

 あいつが、下半身立ててない時あった?

 私は、寝てる所を見たことないわよ!

 あの色魔が、こんなしおらしくないもの!」


「「確かに!」」 


黒い人型A

「言いたいこと言いやがって!

 フン! まぁいい!

 俺たちは、意志の集合体だから名は…


 まだない!

 まぁいいか…

 お前たちには、俺達のこ…」


ヒューーーーーーーーードン!


 ドシャッ…


 プチッ…


「「「へ?」」」


 何か大きなものが、空から落ちてきた!

 あぜんとする、第1王妃達…

 変な音したな~

 プチッってなんだ?


 煙が収まると、そこには、絶望のゴブリンの悲壮な顔が…


「「「ギャーーーーーー!」」」


 その時、黒い人形Aがやられたせいか、縛っていた影のロープが消えて開放される!

 しかし、恐怖はそれで終わりでは無かった!

 聖ボロボーン王国に広がる黒いもの…

 その上に、落ちて来たゴブリン・ジャイアントの上半身!

 しかも、まだかろうじて生きている。

 黒いものが、動き出した!

 ゴブリン・ジャイアントにまとわりつく!

 抵抗する、ゴブリン・ジャイアント!


 ぐぁーーーー!


 グップー!


 3人の王妃達は森の奥から、影ロープが消えたせいで開放された側近達と共に、走り出した!

 魔の森に行けば、魔人国!

 見つかれば、殺される!

 方角はわからない!

 だが!聖カルッティ王国に行くはずだ!

 共通の認識で魔力を身体にまとい、全力で、走り出す!

 オババは怖いが、貢物を出しているから、なんとかしてくれるだろう…

 そんな甘い考え方で…だが!彼女達が、走っているのは…


 北だった…



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