第139話 オーク軍に起こった異変2




 オーク・ジャイアントの命令は、すぐに実行に移された。


 魔の森のオーク軍団第三軍は、これまでよりも広範囲に展開して、瘴気吸収用の魔法陣を設置し始めた。


 その展開の広さは15倍!


 そう!オーク・ジャイアントは、メーンタークダンジョン完全攻略の可能性を考えて、瘴気のパイプラインの増設を15倍に変更したのだ!


 魔道具をリッチとリッチキングが作り出す。


 それをでき次第、森の外に設置していく。


 しかし、そこで拡大の弊害が出てきた。


 魔道具を、作るのにも瘴気を使っているので、ホロン王国と聖カルッティ王国の間にある魔の森の瘴気の濃度が、薄くなって来たのだ!


 大問題である。


 オーク・ジャイアントにすぐに報告がされた。


 オーク・ジャイアントの判断は魔国と境界などの魔の森から手当り次第、瘴気を魔導ポンプで吸い尽くす作戦である。


 第三軍1億匹のうち、3千匹を聖ボロボーンと魔国との間の魔の森まで進軍させ、そこから根こそぎ魔導ポンプで吸い尽くす計画である。


 すでに、バボン王国と聖カルッティ王国との魔の森の瘴気が三分の1になりかけており、仕方ない事もあるがもう一つ打算があった。



 聖ボロボーン王国と魔国は仲が悪い。

 魔の森の瘴気があるから、両者があまり進軍しないだけで、瘴気が格段に薄くなれば戦争を起こすだろう。


 また、聖カルッティ王国と魔国。

    聖ボロボーン王国と聖カルッティ王国

 とも仲が悪いから、そこで戦争を起こさせるつもりでもある。



 10日後、瘴気の供給量は15倍になった!

 そして、そのうちの1つをブリードル帝国に供給する!


 ブリードル帝国では、ゴブリン・ジャイアント軍団との戦いが始まった。

 ゴブリン・ジャイアントも自陣の魔の森からの瘴気をブリードル帝国に流し始めた。


 そこへ、オーク軍の瘴気の供給である。

 ブリードル帝国は、国境警備隊を少し置いて、ほぼ全戦力をゴブリン軍に対応するために集中し始めている。

 オーク軍の偵察隊が、帰って来た。


 やはり、メーンタークのダンジョンが攻略されたらしい。 

 しかも、メーンターク内の他のダンジョンも次々に崩壊しているというではないか。


 S級ダンジョンに統合されていたため、取り込まれたサブダンジョン達が、ゆっくりとだが崩壊していっているらしい。


 どれ位の規模になるかわからない状態みたいだ。


 そして、オーク・ジャイアント軍団の知恵担当のリッチキングが初めに気がついた!


 ステータス画面が止まっている?


 おかしい!

 MPを使っているが、表記が変わらない。

 ためしに、部下に試させたがダメージを食らっても、HPの表記が変わらない。 

 どうなっている?

 これでは、軍の管理を見直さなければならない状態になるに違いない。


 スーパーリッチキングがEXスキルで、スキルブックを作るがスキルが獲得出来ないこともわかった。


 これは、おかしい!


 オーク・ジャイアントは、スケルトン・ジャイアント復活の為に瘴気量を倍にして、さらにリッチキング・ジャイアントを復活させる為に、次の遺跡を占領して瘴気を流し込む事にした。


 そして、ゴースト達をこのステータスやスキル異変の情報収集の為に、聖カルッティ王国へと派遣する。


 オーク・ジャイアントは、情報が集まるのと戦力を増強できるまで、しばらく待つことにした。



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