第135話 その頃聖ボロボーン王国でのフロン皇女は?


 

 用がC級ダンジョン「謎の回廊」に入っていた頃、フロン皇女はフロン海賊団を連れて、聖ボロボーン王国の村を襲っていた。


 なぜ、襲ったのか?


 こちらがこの国に、何が起こったのか聞いているのに、情報料として金貨を要求して出しているのだが、村長のヤツ金貨だけとって無視して、家に閉じこもったからである。


 フロン皇女

「焼け!凍えた体を温める為に、このゴミに火をつけて燃やせ!」


 村長

「何をするんじゃ~」


 女海賊団員A

「うるせー!フロン皇女様が、何が起こったかを聞いてくださっているのに、対価として金貨までくださっているのに、貴様!金だけ取って無視とはいい度胸だ!」


 女海賊団員B

「早く、何が起こったのか言え!」


 女海賊団員C

「オラオラオラオラオラオラオラ!」

ベキ

ボギ

ボロボロになった村長…


 他の村人達が、ならばされる。


「オラ知らねーだ。最近、税金の取立すら国からこねーだー。」


「おらたちも、ほんとうに知らねーだ。

 領主様だと知っているかもしれねーだー。」


「そのじじいは、「村長」って名前で、この村の本当の村長は、領主様の所に行ったきり4ヶ月も帰って来てねーだー。」


 ズルッ



 フロン皇女がコケた。



フロン皇女

「そのジジイにお仕置きしなさい!」


 ボロボロがさらにボロボロになった「村長」さん。 

 

 だが、この村が聖ボロボーン王国に上陸してからの、初めての生存者がいる貴重な村であった。

 とりあえず、村の食料はもともと無かったみたいなので、フロン皇女達は自分達の拠点に連れて行く事にした。

 近隣の村の情報を聞き出して、捜索する。

 王都に向かった者は、帰って来ていないらしい。

 他の村は、全滅であった。


 フロン皇女は、進路を北に変更して、王都を目指す。


 時間がかかっているのは、もし王都から脱出しなければならない時に、馬がいるからである。

 村を巡るのは、馬を集める為でもあった。

 しかし、馬を発見出来たとしても、泡を吹いていたり、まっすぐ走れなかったりフラフラ歩いたり、正常な馬が見つからない。


 あのギルドマスターの最後の文書のとおり、これは呪いなのか?

 わからない。


 とにかく、脱出する方法を確保しつつ、王都を目指す。

 途中の村の、聖堂内で神官を確保した。


 初めはいばっていたがフロン皇女が王家の印と、恐ろしい笑顔で対応すると、やっとまともな回答を出してきた。


 1.どうも、黒いキノコ雲が出た日、国王は巫女頭と巫女長達を連れて、勇者召喚神殿に向かったと言う。


 2.巫女達が神託を出さないようになり、出さすために勇者用の特別な呪いをかけるらしい。


 3.しかし出て来たのは、神託ではなくて黒いキノコ雲であった。


 4.神官達は、逃げて来ており、この村の地下に隠れている。


 5.王都に行った者は、帰ってこない。


 6.非常用の連絡先すら、応答が無い。


 フロン皇女はまず聖堂地下に行き、避難して来た神官達を確認する。


 神官どころか、巫女も多数いた。


 神官長を発見したが、いばっていたので、

 その場で、教育した。


 それを見て、やっと全員人の話しを聴くようになったので、まだいばっている神官長補佐も教育しながら、命令する事にした。

 全員、船にのせてブリードル帝国に移送する。


 巫女達がが喜んでいた。


 神官達は、トイレに行きたいのだろうか、ガクガク、ブルブルしていた。


 すぐに、船に向かって出発させる。


 村人も全員移動させる。


 とりあえず、理由? 王都異変に対する、ブリードル帝国からの救済である。 

 そう!これはブリードル帝国からの救済なの!

 関係無い所を襲いすぎ?


 なにか勘違いしてなくて?


 世界は、ブリードル帝国のもの!


 今から、占領しなくて、何がおかしい!


 さあ、村人達も出発したわね。


 では、私達も、王都に行くわよ!


 そして、途中の村もやはり、もぬけの殻であった。


 王都はもうすぐだ。


…………

つづく 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る