第126話 用とバボン王の役割分担

 普通は作戦会議なんて、早めに済ますものである。

 なぜ、今頃また魔導通信で作戦会議をするのか?


 それは、オーク・ジャイアントがかなりインテリジェントなオーク?

 らしく、瘴気の供給源候補の全てを補足できなかったためである。


 メーンタークのダンジョンでもそうだが、まだまだメーンタークにはダンジョン穴があり、どのダンジョンがリッチキングたちが、呪いをかけて瘴気を取り出そうとしているのか、解らない状態なのだ!


 ヤツ等、が持っているダンジョン・コアがどのメーンタークのダンジョンと共鳴するのかが解らない!

 その時の戦況とその時ダンジョンの等級によって対応を変えねばならない。



 メーンタークの現場には、マイークラー街の冒険者ギルドマスターを筆頭に監視状態を維持している。

 パイン街と王宮は、まだか!まだか?と様子を見ていた!

 そして、微弱地震源のダンジョンが特定された。

 それは出てくるモンスターの強さで、C級とされていたがなぜかA級パーティーでもダンジョンの底すらたどり着けない地下300階はあると記録されていたダンジョンであった。


 決まりだ!


 やはり、オーク・ジャイアント軍団はメーンタークのダンジョンをエネルギー源にしようとすでに手を打ってあった。

 しかし、用が2つ攻略したせいで上手くダンジョン・コア共鳴が出来ないみたいである。

 マイークラー街冒険者ギルドが、場所を特定して陣地を張り出す。


 バボン王と用は、すぐにこれまで打ち合わせ通りに、用がダンジョン攻略に入りパイン街の防衛はゆみ達に任せて、バボン王はできるだけオーク軍団を引き付ける事になった。

 ここでも、アンデッド軍が遺跡で停滞しているのが、かなり気持ちの負担の軽減になった。

 オークを倒した経験はD級冒険者でもありかなりの対オーク軍の戦力を見込めた。


 

 用は地下基地に入り、ゆみの為に作った浄化兵器を取り出して、空間魔法を付与していつでも、ゆみが使えるようする準備をし始めた。


 ゆみ

「用様、私もダンジョンに行きます!」


 用

「いや、今回のダンジョンは実はどんな特色があるかわかっているんだ。」


 ゆみ

「わだじも行きたい~」


 泣きながら言うゆみさんに、用が言おうとすると…


 ?魔神

「呼ばれて出てきて……なんかすいません。」


 ゆみ

「あら!ピザ魔神さん!」


 用

「そういえば、名前聞いてなかったな~」


 ?魔神

「え~と、実は私も強いて言うなら地球出身でして、本名は主が修行中は自動的に封印されているため自分でもわからないのですが、二つ名は、魔神デス・トロイと言われてました。」


 用

「そうなんだ。地球出身なの。」


 魔神デス・トロイ

「ミレイとミイナ姉妹も、私が人間の姿してた時にあってますよ。」


 ミイナ・ヴァーミリオン

「え?」


 魔神デス・トロイ

ボン! 変身するデス・トロイ

「こんなに姿してましたね。

 ちなみにヴァーミリオンの名字は我が主がつけたのです。」


 ミイナ・ヴァーミリオン

「あ~思い出した!

 トロイじゃん!そうか!というわけは、トロイアルもこっちの世界に来てるの?」


 魔神デス・トロイ

「はい、この世界に或る情報をもらって来たときに、隣の洞穴で寝ていたのを見たのが最後だったので、たぶん今から用様が潜ろうとしているダンジョンだと思う。」


 ゆみ

「洞穴で寝泊まりしていたのですか?」


 魔神デス・トロイ

「うん、あまり目立つと私たちを利用して戦争ばっかり起こすやつがいたから、だんだんと目立たなく生活するようになっちまったんだ。」


 ゆみ

「それが、なぜ私が用様と一緒にダンジョン潜ったらだめなんです?」


 魔神デス・トロイ

「俺は、反対派ではないぞ!

 ただ、ゆみっちはもう用様の従者だ!

 ここで任されて立つ現場をやり遂げるのも、従者として大切な事だと思うぞ!」


 ゆみ

「う~ん、そう言われるとな~」


 ミイナ・ヴァーミリオン

「恐らく、用様が行くダンジョンにいるトロイアルは、拗(す)ねるクセがあるんです。

 昔は特に美人な女性が近づくだけで、拗(す)ねてました。」


 魔神デス・トロイ

「ま~かなり寝ていたから…寝ぼけて何するかわからんというのがある。

 それよりも、用様の眼としてパイン街の状態を教え手くれたほうが、用様の精神的不安をかなり軽減になるから今回は、オーク討伐頼む。」


 用

「ゆみさん達3人は、この街がやばくなったらここにロケットを用意したから、これで一旦上空に逃げてくれ。ホロン王国の辺境に行くようになっているから。」


 ドリズ

「これが、ロケットなんだ。

 タツヤのヤツは作れなかったが、用はすごいな。」


 ゆみ

「いつの間に作ったのですか。」


 用

「ホロン王国にいた時から、設計図描いて少しづつ作ってたんだ。

 錬金術でチタン部品とか作れるから出来たことなんだけど。」


 用

「あと、このクリアビームランチャーとビームマシンガンとかの兵装をゆみさんに今から、使えるようにするから。

 あと、ドリズさんにはこの服を着て欲しい。

 複数のダンジョン・コアを加工した物で、体力とMPが通常の3倍早く回復するのと、スキルと魔法の反動を逃がす機能を付与しているから。

 あと、ミイナさんには、この首飾りを用意した。

 A級ダンジョン・コアを改造したもので、スキルとか魔法使った時の反動を別次元に逃がす事と、MPの急速自動回復と防御力の増大効果が付与されているから!」



 魔神デス・トロイ

「ふふふ、相変わらず心配症だな。主はやっぱり主だよ。」


 用

「俺の前世って… なにしていたんだ?」


 AI

「……………」


 ミイナ・ヴァーミリオン

 「ふふふ、今と変わらず素敵な方でしたよ。」


 魔神デス・トロイ

「うん、変わってねえ!それだけは間違いない。」


 用

「では、メーンタークに行ってきます!」


 魔神デス・トロイ

「できるだけ、早く帰ってくるから。」


………………

 さて、魔神デス・トロイとAIと用がS級ダンジョンにまた挑みます。


 魔神デス・トロイさんは、女性設定です。

 (しかし、わけあって中性に見せかけていた設定です。)

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