第113話 グランドマスターVSクイーン
前回の続きです。
メルト
「ヨー・ヨーガをここに連れてまいれ。わかったな。」
マット
「女王様それは、無理だとしか言えません。」
メルト
「なに!どういうことじゃ!」
マット
「報告を聞いてから、ホロン王国やバボン王国にも頼んで情報を集めた結果、ヨー・ヨーガは召喚勇者らしいのですが、本人は大変怒ってる状態です。」
マット
「ユミ・オオトが、呪いを解かれて彼に付き従ってます。
ユミ・オオト!お忘れではありませんよね!
あなた方オババや大オババ達が、助けを求められてもケリ飛ばし最終的に聖ボロボーンの黒い棺桶の呪いをかけられる事を了承して、ゴースト化させた召喚勇者ですよ!」
メルト
「ハァ? なに言っとるんだ! あれは仕方がないだろう。
世界樹の力が弱りその原因がわからず、聖ボロボーンだけしか神託が降りなくなって、我が国はどうしようもない状態だっただろう!
呪いが解けた?
ならこちらにも協力してもらえるな。」
マット
「協力?
何を寝ぼけた事を言っているのですか?
見捨てた側に協力するとは、思えませんけど。
だいたい、前勇者との約束を破ったのは女王陛下あなた方ですよね!
ついでに新しい情報ですが、前勇者は元の世界に戻ってないみたいですよ!
これで、前勇者に魔王倒せば帰られるって言った事がウソである事が広まってます。」
メルト
「私達を、疑うのか?」
マット
「帰ってない事が、疑いの元であります。
ヨー・ヨーガの親類に縁者達が、前勇者と関係がありこの世界に連れ込まれるまでずっと探していたようです。
その事が、ユミ・オオトとの出合いで判明しました。
つまり、前勇者は魔王を約束どおり倒しても帰還していなかった。
女王陛下、釈明は?」
メルト
「待て!
それではまるで私達が、送り返してないみたいじゃないか。
我々は神託通りに魔王を倒した。
そして前勇者は転移していった。
それは私が魔王討伐した現場で見た。」
マット
「ハァ~」
頭を横に降る。
メルト
「おい!
私が、嘘をついているとでも言うのか!
宰相!こやつにあの時の記録映像をみせよ!」
宰相
「いくら冒険者ギルドのグランドマスターと言えど失礼にほどがありますぞ!」
マット
「ハァ~、宰相殿!
あなたが今何を言ったのか分かっているのかな?」
宰相
「どういうことじゃ!」
マット
「では、ここで魔導通信でつながっている商業ギルドグランドマスターに、魔導ギルドグランドマスター・鍛冶ギルドグランドマスター、そして私・冒険者ギルドグランドマスターの前で、ご説明いただこう!」
マット
「前から疑問だったのは、まず第1に、前勇者は魔王を倒したらしいですな!
ではなぜユミ・オオトも元の世界に転移されていないのですか?
その後もこの世界にいて、女王陛下や聖ボロボーン王国のせいで呪いをかけられてますよね!」
宰相
「それは…」
マット
「わしは知らんは通じませんぞ!」
マット
「そして第2に、神託?では魔王が呪いをかけたので世界樹の力が弱ったとのことですが、魔王倒しても、全く力が回復するどころか弱っていきましたな!
そして、ヨー・ヨーガ殿がダンジョン攻略して、初めて力が回復しています。
これを、どう説明されるつもりか!」
宰相
「言わせておけば…」
マットと、その側近が剣を抜く。
宰相
「ヒッ!」
マット
「第3に、現在召喚された勇者達からも証言が取れています。
本人達の意思で来ていないと!
白い部屋に拉致されて、勝手にスキル付与されてこの世界に無理矢理送り込まれたと!」
メルト
「それは、我々には…」
マット
「だから、前勇者は拉致召喚を禁止されました。
我々には関係ないだと!
召喚されたから協力しろだと!
ふざけるな!
協力させといて、約束すら守らん!何を考えているのだ!」
メルト
「言いたい放題言いおって!
そんなもの、私達の管轄外ではないのか?」
商業ギルドグランドマスター??
「ハァ~女王陛下、ご自分が前勇者との約束を果たしていないのは、わたくしも直接確認しました。
どういうつもりか!」
魔導ギルドグランドマスター・マーブル
「ブリザード公国には、全く違う事を報告していましたな。
ユミ・オオトは魔王に味方したから送還されなかったと!
パイン街の酒場で直接確かめて来ました。
記憶も見せてくれましたよ。
あなたって人は!
女性は男のオモチャではないのですよ!
あなたも女性ならそれがわかるはずでしょ!
よくもまあ、メイドにして売りつけただと!
この国もだけど、前勇者達と議論して奴隷は廃止しましたよね!
あなた何を考えているのか!」
鍛冶ギルドグランドマスター・ドカン
「聖剣を打ったのは、我が師匠であり私も一緒に打ったのだが、聖剣と共に前勇者は転移した時は、確かにこの世界から聖剣の気配が消えたが、その後またこの世界に気配が戻ってきている。
歴代の聖剣を打った者達のも疑問に思っていたのか、その事が記録されていた。
しかも封印されているから呼び出せない。
そして聖剣の所有者も死んでいるとの信号もない。
つまり生きていてこの世界に封印されている事になる。
ご説明願えるかな?女王陛下。」
メルト
「わからん。
前勇者が帰っていなかったことすら確認出来ない事であり、帰ったと思っておった。
ユミ・オオトの事は謝ろうとしたけど、もうゴースト化しており会うことすらダメだった。
聖剣の事だか、魔王がアンデッド化するのを封印するためと神託が降りていた。」
マット
「聖ボロボーン王国の対になる国である聖カルッティ王国の女王陛下がなぜ、ユミ・オオトの呪いを解かなかったのですか?
解いて謝る事から始めることすら、やめたのですか?」
メルト
「黒い棺の呪いは、私では解けないのだ!
あれは神託と共に授けられたものだと記録されている。」
用
「お初にお目にかかる。用賀 用と申す者です。
なるほど、全く説明になってないな。
バボン王国とのオーク・ジャイアントの対応の意思疎通を拒否し、そして拉致召喚被害者をまるで奴隷の如く扱い、もはや… いやこれ以上は言うまい。それでは、これにて。」
メルト
「まて!待ってくれ!謝る!
謝るから、待ってくれ!」
宰相
「陛下、通信が切れてます。」
メルト
「ううッ… グランドマスター達よ。何を望む?」
「「「「約束を守れ!」」」」
メルト「うぐ!わかった。」
会談は、終わったがこの事は各ギルドでライブ中継で大陸全土で放送された。
全土で波紋が広がる。
ブリードル帝国でも、その場にいる勇者達も
魔国でも、見られていた。
魔王
「は? 父上達が殺されたのは、神託だと?
しかも、あの父上達を殺した奴らは拉致召喚された者達で、元の世界に帰す条件での殺害を強要されたか!ううむ…おかしい。
こちらの知っている事と違い過ぎる。」
別の波紋も広がる。
そして、この時女王メルトはしっかりと魔導通信の画面を見ていなかったのが。
災いを呼ぶ事になる!
それは、また後のお話で…
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