第112話 聖カルッティ王国の動き。



 ここは聖カルッティ王国


 バボン王国の東に位置する国であり、

 精霊達が住む、世界樹のあるところであり、

 冒険者ギルド総本部があるところである。



 世界樹の下では、スキルブックが使えなくなった事と、オーク・ジャイアントの対応に北の隣国の聖ボロボーン王国に出た黒いキノコ雲の調査から、東の隣国バボン王国からの使節団からの国書に対応するために、大忙しであった。


 まず、用が巨大ダンジョンとなったS級以上のダンジョンを3つ攻略したことから、世界樹の世界調整機能が格段に回復していて、そのメンテナンスは連日休暇無しの働き詰めであった。


作業員A

「女王様、休暇を下さい。って言えたらな~」


儀式官A

「ハァー、俺も休暇欲しいから言ってみるよ。

 とにかく大結界張れないと防衛戦もダメだから、急いでね。」


作業員B

「なぜ、年々弱っていた世界樹のパワーがいきなり回復してきたのでしょう?」


上位儀式官

「うむ、なにを疑問に思っている。」


作業員A

「俺達、世界樹が風前の灯火ではないかと心配なのですよ!

 ほら!ロウソクって消える前に火が大きくなるでしょ?あれですよ。」


上位儀式官

「なるほど、ここだけの話だがオババ様も心配していてな、ほんの少し前にゴブリン・ジャイアントが出た時あたりから、一度大きな爆発波動が出てきたあたりから、世界樹の力が安定し始めてきていた。」 


儀式官A

「その後、あの邪宗教じみた聖ボロボーン王国での黒いキノコ雲に、いきなりのこの世界樹の力の取り戻しの原因を、オババ様達も全力で調べておられる。」


作業員B

「わかりました。全力でメンテナンスします。

 あとこの攻撃兵器も、まだ使えないですが整備しますか?」


上位儀式官

「とりあえず、結界優先で!」


  


   

  国内・冒険者ギルド総本部では。



ギルド職員

「バボン王国のギルドから、王宮に対してオーク・ジャイアントに対する対応をどうするか、聞いてほしいと、魔導通信がさっきからずっと来ています。どう対応すべきかが」


冒険者ギルドグランドマスター・マット

「王宮は今、神の宣託待ちであり、世界樹の言葉を待っている状態である。

 しばらく待っておけと返答しよう。」



ギルド職員

「グランドマスター、報告書には書かれていない報告がございます。

 バボン王国にてSS級1穴S級2穴のダンジョンが攻略されました。

 それらは、全て同一人物みたいなのです。」


マット

「なに!なぜ報告書にかかれておらん!」


ギルド職員

「攻略者本人がギルドに報告していないのと、攻略者の名前がわかっていてはいるのですが、ホロン王国の冒険者ギルドマスターの奴らが、失敗をしていまして冒険者ギルドと関係が悪くなっております。

 攻略時は商業ギルド員として、攻略したみたいです。」


マット

「バカモーン!

 早く本人に連絡してここに呼び出せ!

 そんな実力者なら、あの忌々しい世界樹の横のダンジョンを攻略できるだろう!」



ギルド職員

「グランドマスター!

 最近出回っている、賞味期限付の格安下級ポーションは知っておりますか?

 アレの製造主でもあり、パイン街のギルドマスターをやっている元勇者パーティーのドリズがなんとかして、修復した関係です。」


ギルド職員

「上からの目線は、絶対禁止との報告がホロン王国とバボン王国からも出ています。

 格安下級ポーションがなくなれば、冒険者達を圧迫します!」


マット

「ポーションなくなるのは痛いな。

 だがなんとかして、ここに呼び出せないか?

 この事は報告しないと。」



報告官

「大変です!

 バボン王国がオーク・ジャイアントの対応に返答が無い事にシビレを切らして、対立姿勢を取り出したと報告が入りました。」


マット

「とりあえず、冒険者ギルド総本部は敵対するつもりは無いとだけ伝えておくように!

 私は今から王宮へ行く。」


      



 聖カルッティ王国

女王   メルト・ラ・カルッティ

「で、グランドマスターや。その報告は本当か?」


マット

「はい、恐らく3つの巨大ダンジョン崩壊と、世界樹の力の取り戻した時期はほぼ同じでしたので、間違いないと思います。」


メルト

「ヨー・ヨーガをここに連れてまいれ。わかったな。いやな予感がする。」



マット

「女王様それは、無理だとしか言えません。」


メルト

「なに!どういうことじゃ!」


マット

「報告を聞いてから、ホロン王国やバボン王国にも頼んで情報を集めた結果、ヨー・ヨーガは召喚勇者らしいのですが本人は大変怒ってる状態です。」



次回に続きます。

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