第98話 下級ポーション売り切れです。




 

 用は、屋敷内の地下に魔石を沢山使った秘密ポーション工場を作っていた。

 中級や上級や特級ポーションの基礎材料は、下級ポーションである。

 下級ポーションの大量生産が必要なのである。


 地下2階には、制御済み元ダンジョン・コアを使った室内栽培畑が広がる。

 基本材料も確保済みだが、経済のため冒険者ギルドにも発注済みである。

 (初心者クエストが薬草集めのため。)


 収穫もゴーレム達がする。


 今は、MPを新造した大型魔力タンクに注いでは、空っぽになったら寝る。を繰り返すこと3日で大量生産の目処がたった。



 冒険者ギルドから使いの受付嬢がきた。


 「ヨー様、すいません。ギルドマスターが呼んでます。ポーションのことです。」


「人呼んで来て、下級回復ポーション1000本今揃えたから。」


受付嬢

「はい。今すぐ!」


 ついに、スタンピード対応が始まったか。


 商業ギルドによってからミイナさんと一緒に冒険者ギルドに行く。

 冒険者ギルドでも、スタンピード対応軍の募集が始まっていた。


 

 ギルドマスター室


「やっと1日1000本出来るようになったよ。」


 冒険者ギルドマスター・ドリズ

「それが、王国からの要望で総数2万本集めるように要望がきた。

 マイークラーのギルドは総勢で、薬草取りにダンジョンにもぐったけど、錬金術師が過労で倒れたらしい。」


「過労死ダメ絶対!」


 第2王子?ミルトもやってきて、合流する。


商業ギルドマスター・ミイナ・ヴァーミリオン

「向こうの街の分もこちらの商業ギルドで対応ですから、4万本ですか。」


「薬草が、足りないな。

 とりあえず増産するよ。

 あとミイナさん帝国ヘ勇者専用ポーション売り込もう計画のことだけど。」


ミイナ

「はい、向こうの帝都の商業ギルドマスターに、古文書から再現したポーションができたから買わないか?って、打診しましたら飛びついてきました。

 なんせ普通の中級ポーションの半値ですからね。

 これと、値段が半値の賞味期限一ヶ月の普通下級ポーションを売り込んで、帝国から資金を引き出しましょう。」


ミルト

「[ポーション販売で帝国に打撃]作戦を、陛下は承認された。

 どんどん作ってくれ。」


「ミイナさん、屋敷裏の家を買えるかな?

 あそこをポーション受け渡し場所にして、できるだけバレないようにしたい。」


ドリズ

「あ~あれは、前のギルドマスターの家で今は空き家だね。ちょうどいいかも。」


「前ギルドマスターはどこに行ったの?」


ミルト

「今は、王都にいます。

 ポーション作戦の指揮を取らせてます。

 成功すれば昇進確定なので、頑張ってますよ。

 あと、用さんスタミナポーションの方は?」


「もうすぐ、完全する。大量生産するにはマニュアル化しないといけないけど、あと6日後には生産出来る。」


ミルト

「すいません。

 スーパースタンピードに対する切り札ですから、陛下も喜ぶでしょう。」


ミルト

「それと、陛下からの情報ですが、ホロン王国の問題の2人の姫が、リバイアサン討伐に乗り出したとか、まだ無理だとは思いますが、その前に一度も陛下がこちらに来るのであってくれますか?

 もちろん!あの2人に対する防衛策の話も込みです。」


「わかったよ。ミルトさん、この辺りで死の森に匹敵する瘴気の溜まった森とかないかな?」


ミイナ

「魔の森とか、ならずの森?」


ミルト

「あとはこの近くのデス・バレーくらいですかね?」


ドリズ

「デス・バレーは、強すぎアンデッドばっかりの平面開放型ダンジョンだからね~ 

 しかもジョロキアバナナが中心部に近づくとわんさかあってな、獣人とかの冒険者はまず近づけないのと、魔核がないアンデッドだからね、ターン・アンデッドしかあのダンジョンのモンスターを倒すことが出来ないのだよ。」


「ジョロキアバナナがあるの?好都合だ!」


 ジョロキアバナナを出す。


ドリズ

「これこれ? これは~」


「死の森の時にゴブリン・ジャイアントもコイツを避けてたから、オーク・ジャイアントにも効くかもしれない。オークに効くかな?」


ドリズ

「ゴブリン・ジャイアントが嫌がっていたのか?わかった!私が、これがオークに効くか試してくる。」


 用はジョロキアバナナをドリズに渡す。


 そこへ、受付嬢が入ってきた。


「マスター!近隣の貴族がポーションを売れってやってきてます!」



  用のポーション作り地獄が、決定した瞬間であった。

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