第92話 商人だと言い張る猛者
第90話からの続き
用は、S級ダンジョン攻略をしたあとAIに出口で、マイークラー街冒険者ギルドマスターがいると聞かされていた。
実は、パイン街で中二病でもない用が、珍しくカッコいいと思って衝動買いした仮面があったのだが、それをかぶって地上に出ることにしたのだ。
AI
「なぜ仮面を…」
「うん、もう冒険者ギルドには関わらずに商人として活動しようと思ってね。」
AI
「どこかの怪盗さんとか、気取ってないでそのまま対応策すればいいのでは?」
「だけど、腹が立っているのを顔に出すのは、商業ギルドにも悪いでしょ。
パイン街の商業ギルドはなにも言わずに、かなり丁寧に対応してくれたし。
ここは、パイン街に早く帰ったほうがいいと思ってね。」
AI
「ダンジョンに、もぐった理由はどうするのですか?」
「え?商人なんだから、仕入れに来たとか言うつもりだよ!」
AI
「ずいぶん、アクティブな商人ですね。」
「それに、王族も動いているんだよね。
なら冒険者として命令されるよりも、商人として何か大きな商業取引しないと、動かないやつだって印象を持たしたほうが、王族もやりたい放題に命令するのをためらうかもしれない?とか思ってる。」
AI
「なるほど、商人動かすほどの金がかかると認識すれば、王族も命令するのもためらうと?
あまい考えでは?」
「だけど、冒険者ギルドの使命依頼絶対命令で低価格の料金より、一回1億とか10億の商業取引特別依頼料基準にしてしまえば、例え税金が湯水の如き使える王族でも、依頼に限度が出てくるでしょ。」
AI
「少しの抑止力には、なるかも。」
◇
地上にでると、大泣きのおっさんがいた。
どうする?逃げる?
いや、あの気迫は命がけだろうと素人でもわかるぞ。
とりあえず、無言で歩くか。
テクテクテクテクテクテク
マイークラー街冒険者ギルドマスター・グリス
「あの、あなたは…」
グリス
(なぜ、仮面を…どうすれば!そ!そうか、対応を誤れば終わりだ。)
その時、グリスは吟遊詩人がよく仮面を被っていることを思い出した。
グリス
(商人として、対応しよう!)
グリス
「ヨー・ヨーガ様ですね。
私はこのダンジョン郡担当マイークラー街冒険者ギルドマスター・グリスと申します。
先ほどは、内部の職員が失礼しました。
ヤツは今牢屋に入れていますが、バボン国王より処刑の準備がされています。
容疑はこのダンジョン郡のドロップ品で成り立つ経済を破壊した容疑です。」
用
「ほう。
(あっれ~無茶言ってやろうと思ったけど、処刑ありきで来たか。
どうしようAIさん?
AI
「こんな時は、怒ってませんよ、私はいい公正な取引が出来たら良いだけですから、とかが商人テンプレ文句ですから、」わかった。)」
用
「なにも、怒こってませんよ、私はいい公正な取引が出来たら良いだけですから。
職員さんにはそれ相応の罰で、おねがいします。しかし、なぜ涙を…」
グリス
「ヤベ!目から、汁が止まらないんだわ。
S級ダンジョンが攻略されなくて、このダンジョン郡はダンジョンインフレで、ある意味崩壊の危機でした。
いやスタンピードが起これば王国の危機でもありました。
まだ実感が無いですが感度してるんでしょうな。」
用「なっなるほど。
(AI「ウソ発見サーチかけましたが、全くのウソではないようです。」)
いい関係を、結べそうですね。」
グリス
(良かった~!ヒャッホー!オレの死刑が回避できるぞ!)
グリス
「ありがとうございます。バボン王国冒険者ギルド・パイン支部と合同で取引してもらえますか?」
用
「はい。よろしくおねがいします。」
握手を交わす2人。
ここに、用の本格的な商人活動が始まるのであった。
次話から、スーパースタンピード対応編です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます