第88話 浮かんだ疑問2

 前回の続きです。


 「アイツわかってたのかな。」


 「用賀くんの事?」


野波

「あの緑のモビルスーツは、違うらしいけどコボルトの大軍は、用賀が上空から落ちるように無理矢理変えた可能性があるって冒険者ギルドのサブマスターが言っていたよ。」


杉谷

「アイツに、世話になりっぱなしじゃねーか。

 コボルト達、落ちてきて弱ってなかったら、俺たち死んでたぞ。」


旧田丸

「そうね。

 みんな寝込んでるけどレベルアップはかなり出来たし、ここで生き伸びるため条件が絶妙なタイミングでそろえてくれてるみたい。」


 「クソフロンのやつ、今回の事で遠い国に何か物資を調達しに行ったらしいよ。」


 「帰って来るまで、出陣は延期だって。」


 「用賀には、足向けて寝られんな。」


旧田丸

「MP回復したからヒールかけるね。ヒール! ヒール!」


帆山

「それでな話戻すと、これまでの俺達の世界から拉致された勇者って、帰って来てないだろ?」


野波

「あ~帰って来てないだろな。

 そんなのあったらラノベどころか新聞とかで大騒ぎだよな。」



「だろうな。」

「たしかに聞いたことない。」


帆山

「チートスキル付いてない、ヤツも呼び出されていると思うんだ。

 あの皇帝の言動とか、クソフロンのやり方見たら。」


「チートスキルもっていても、デメリットが大きすぎて身体壊すから長期的な戦力にならない、通常スキルもっていても戦力的には、この世界の兵士と似たり寄ったりの戦力にしかなってないよね。」


「たしかに、変だよな!大金かけて、魔術師とか総動員してまで拉致する意味ないじゃん!」


旧田丸

「たしかに、そういえばそうよね。」


「はじめは、文化や技術的なものも発展させるつもりかと、思っていたけど~」


「研究費とか、制作費とかもらった?」


「いや、ないな。」


「なら、俺達を拉致した本当の目的って何だよ?」



「わからね~」


 そんな、会話を聞いていた衛生兵や看護師や回復術師に見張り兵士は、だんだん顔が真っ青になってゆく。


 自分達が、聞いていたのとは違うからだ。


 どういうことだ?

 その疑問の波は、すぐにブリードル帝国に広がっていった。




 しばらくは、クラス生徒達は入院と言うわけでお休みです。


 ブリードル帝国フロン皇女の「わたくしは女王になる!」と行って、出航したフロン皇女航海記が始まるかも。

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