第86話 問題のクリア報酬…


 S級ダンジョン地下101階の入口で、用はなんとか立ってはいるがフラフラだった。


 「ハァーハァーハァーハァーしんどい!調子に乗ってはしゃぎ過ぎた。」


AI

「楽しそうでしたよね。

 とりあえず、スタミナポーションと食事を取りませんか?」


 「そうするよ。モグモグ。」


AI

「100層がダンジョンの標準なのですが、ここは、超えましたね。」


「いや、ゲームだとこの階でラスボスと戦って、終わりなはずだけど。」


AI

「ゲームだと、ラスボスは何が出るのですか?」


「確か、火を吹くペンギン。」


AI

「そして、王子様を助けるのですね。」


「そう、そして王子様とキ………………ス」


AI

「え?まさかそこまで、再現するとは思えませんが、まさか……」


「どうしよう。」


AI

「とりあえず、攻略して…王子様役も設定されていたら、ひどいようですがクリア・ダークを使用するとか?」


「う、うんそうしよう。できるかどうかわからないけど、やってみよう。」


 扉を開けると、溶岩が流れる世界があった。


AI

「温度変化なし…熱気を出さない溶岩って…」


「火炎放射器が、ところどころに仕掛けられているステージだから、気をつけないと。」


 しかし、ゲームであっても罠の場所を知っているのと、知らないのはぜんぜん違い、ゆっくりとだが進んで行く用である。


 「リアルで、こんなステージやることになるとは思わなかった。

 あのゲームキャラの兄弟はこの世界だとSS級冒険者で通用するだろうな。」


AI

「そうなのですか?」


「ジャンプしただけで、このレンガブロックを破壊するからな~。

 もちろん素手で。しかも、雲の上まで行っても、いっさい息切れなしでスタミナはおそらく無限かな?」


AI

「確かに、ゲームキャラならそうですよね。

 座らないし!

 あ!

 このダンジョンの座ったらモンスタースタンピードが起こるっていう罠はまさか!」


「うん、今俺も気がついた。

 ゲームキャラをリアルにしないと攻略出来ない仕様なのかも。」


AI

「無理ゲーならぬ無理ダンジョンモドキですか!ひどい仕様ですね!」


 溶岩トラップを回避していき、最後の本来ならばマグマペンギンが出るゾーンに来た。

 しかし、そこにいたのは火を吹く大きなニワトリだった。なぜ?


AI

「焼き鳥にしましょう!」


「いや、やめておこう。あのニワトリはオスだ!嫌な予感がする。」


AI

「は、はいわかりました。

ダンジョン・コア先に探しますね。」


「頼んだよ。では攻略するか!」


ゲーム通り、ニワトリは壁に備え付けのメイスで叩くと消えた。


 「倒し方も、ゲーム通りなんだ。」


 そして王子様は……いなかった。


 その代わり、宝箱があったのだが中身はアイスの棒らしきものだった。


AI「それは、(?)が隠し持っていた物と同じものです。

 天界に報告します。

 マジックリングのシークレットホルダーに入れておいて下さい。」


「わかった。しかし、この棒すごく重いぞ。10kgはあるぞ。」


………



 謎のアイス棒?はいったい何なのか?

 正体はものすごい後の話になります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る