第85話 思い出した事
今、用はS級ダンジョン地下21階の所で、ただ立っていたが、確かめるようにしてゆっくりと歩き出した。
AI
「用様、どうしたのですか?」
「AIさん、あのね…このレンガのオブジェ?をワン・ブロックとして、次のレンガオブジェって横に5ブロックないかな?
そして、この奥に上2ブロック分残して、このオブジェが6ブロック並んでいない?」
AI
「今、確かめましたがアタリです。
どうしてわかったのですか?
何か法則でもあったのですか?」
「いや違うんだよ。まさかな~いや、やっぱりそうだ。」
AI
「?」
用は歩きながら、上にあるレンガオブジェを下から思いっきり叩く!
すると、オブジェの上に、草が出てきた。
AI
「(火吹き草)が出てきました。なぜ?」
「火吹き草?」
AI
「はい、食べると一定時間口から火が吐けるようになります。」
「なるほど。やっぱりな。」
AI
「?」
「AIさん、俺には警察に勤めている叔父さんがいてね、いつも鍛えられていたんだ。」
AI
「はい。」
「その叔父さんが、記憶力の訓練と言って、かなり前に発売されたレトロゲームをやらされたんだよ。」
AI
「はい。」
「そのゲームは2人兄弟の土管工事職人が、地下世界に行って、さらわれた王子様を救出するゲームなんだけど…」
AI
「まさか!」
「うん、そのまさかかも。
まったくマップが同じなんだ。
その時は一回で丸暗記して、2周目をタイムアタックして3時間でクリア出来たらパソコン買ってやると言われて、頑張ったもんな。
叔父さん、どうしてるんだろ。」
AI
「で、クリアできたのですか?」
「クリアはできたけど、6時間かかった。
だけど一度も死ななかったから、パソコン買ってくれたよ。
一度も死なずによくクリア出来たって、すごく嬉しそうだった。」
AI
「なんだか、すごい教育だったのですね。」
「うん、叔父さん警察ではファイブカードとか、切り札とか言われていたみたいだけどね。
ハハ、困った変わり者だってみんなから言われてたよ。」
AI
「切り札?はて?どこかで聞いた様な、見たような?」
「まあ、検証しますか。
だいたいこのダンジョンの移動はなれたから、クリア目指して行きますか!」
AIは語る。
その後用は、ブロックを叩いて天井裏に行くハシゴを出したり、ワープゾーンを迷うことなく探し当て、ショートカットを繰り返し地下101階まで、6時間もかからなかった。
………………
S級ダンジョン編続きます。
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