第65話 冒険者ギルドマスター逃亡2




 ここは、ホロン王国王都治療院。

 ここのVIP室に冒険者ギルドホロン王都支部長ナットが胃潰瘍(いかいよう)で入院していた。

 本当ならば、すでに回復ポーションで3日で回復していたはずであった。

 なぜまだ入院しているのか?

 それは、ホロン王国第3王女ミルトの使いが2日おきに病室に襲撃するからだ。

 ヨウ・ヨウガの行方はわからない。

 しかし、ヨウ・ヨウガの居場所をギルドカードの情報の不正利用でわかった時点で、ギルド本部が自分を処罰しに来るだろう。


 ギルド本部はそんなに甘くない。


 しかし、あのミルト王女も辺境伯3女ミリも怖い。

 そして、ヨウ・ヨウガをだまして簀巻きにしたのは、ペルト街の冒険者ギルドも関わっており、もし見つけたとしても冒険者ギルドが復讐される可能性も気がついた。


 一騎当千どころか、一騎70万のヤツにどう対応しようかわからん。


 ゲホゲホ。


 吐血した。


 もうダメだ。


 逃げるしかない。


 ふらついた身体を動かして、夜の冒険者ギルドに行く。


 ギルマス室に入り、自分はヨウ・ヨウガを探すクエストに自ら行くこと。


 ギルマス業務は、副ギルマスに任すこと。


 ヨウ・ヨウガの探索を王都支部全員に義務付けること。


 を書いて、ナットは姿を消した。

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