第61話 ダンジョンに行こう!1



 パイン街から北西に進むこと6kmぐらいに、メーンターク・ダンジョン郡と言われる所があるらしい。

 そこを挟んで冒険者の街、マイークラー街という街があるらしいが、そちらは冒険者がかなりいるらしく、そこからメーンターク・ダンジョン郡ヘダンジョン探索する者が多いとのことだった。


 パイン街商業ギルドから、もらった街の手引では、


 メーンターク・ダンジョン郡

 パイン街北西にあるダンジョン多発地帯。

 SSからS ,A, B,C,D,E,F,のランク分けされたダンジョン全てが存在しており、最低1ヶ月に1つはダンジョンが発生する。

 今、確認されているダンジョン総数は2万穴。

 確認されていないものが最低5千穴はあるといわれている。


 郡内では、山間部や河川部に多数ダンジョンがあり、ギルド出張買取サービスや大手商店出張所など多数出しており、スタンピードなどが起る事を考えると、大変危険ではあるがかなり商業の盛んな地域ではある。

 とある。


 なるほど!ダンジョンがあるんだ!

 ギルド取り扱い品リストには、ダンジョンドロップ品はかなりあり、冒険者ギルド経由で商業ギルドが引き取っているみたいだ。

 

 しかし、困ったぞ!

 ダンジョンドロップ品は、冒険者ギルド経由でしか出回らない。

 大手商会なら直接引き取ってくれるところもあるらしいが、あまり関わりたくない。


AI

「用様は、商業ギルドB級会員の商人なのですから、別に店先で売っても大丈夫ですよ。」


「あっそうか!」

 パイン街の屋敷の改造を、進める事にした。

 ワイバーンの魔石がまだ約2万個ある。


 これに結界の魔法を付与して、屋敷襲撃に備える。

 治安がいいと言われても、ゆみさんに留守頼む以上、安全対策はしておかないとはいけない。

 クリア・ダークは付与できなかったけど、弱い出力のターン・モンスターは付与できたのできたので、ゆみさんに自衛用に100個用意した。

 あと、ピザが食べたいと言われたので、ピザ窯(パン焼き兼用)とか作った。

 熱源は商業ギルド経由で買った魔導式最新台所の魔導回路とかを、AIさんに手伝ってもらってコピーしたものを使った。


 そんなことしているうちに、2週間がたち屋敷前の店舗も完成した。


 屋敷内には、小麦粉・チーズ・ドライフルーツや生フルーツに野菜を魔石をふんだんに使って作り出した大型マジック冷蔵魔導庫(時間停止・使用可能者指定)にかなり入れた。


 店と屋敷の準備ができたので、ダンジョンに行くことになった。

 ゆみさんが、見送ってくれる。

 奴隷デバイスなくなって、やりたい仕事ができるようになり、笑顔がすごく良くなった。

 パイン街を出て、ダンジョン郡に近くなると、大きな門に入郡希望の列が出来ていた。


 冒険者ギルドカードは使わない。

 商業ギルドカードを門番に見せると、すんなりと通れた。

 宿屋が、かなりあるが割高だ。

 屋台が並んでいるが、かなり高い。

 なんでも、ダンジョンモンスターは地上のモンスターと違い、倒すと体が消えて魔石と体の一部とかのドロップ品しか残らないらしい。


 そこで、とんでもないことを思い出した。

 俺はモンスターにダメージを与えられないのだ。


 「どうしよう。」


AI

「用様、ターン・モンスターやクリア・ダークがどこまで有効なのか、まず浅層のミニスライムで試しましょ!

 あれなら攻撃されても痛くもないですから。」


 「ミニスライムって、ペルト街の時に見たあれか。うん!試してみよう。」



 安宿で個室に入って、冒険者装備の姿に着替える。

 髪の毛の色も変えて今は緑色に(変化の葉)で変えてある。


 冒険者ギルド出張所で売っているダンジョンの位置地図を買って、掘り出し物がないか出店を回ると、スキルブックが銀貨1枚で3冊売っていた。


 聞くと、内容が生活魔法のウオーターなどダンジョン内で支えるものだったのだが、なぜかスキルブックが起動しないので売れても戻ってくるらしい。


 なかなかかっこいいガントレットがあったので買った。

 銀貨1枚。

 攻撃力が4分の3減して、防御力にその分付与されるため人気が無くこの値段みたいだ。

 俺にはちょうどいいかも。


 さてE級ダンジョンに入る!


 スライムが出ると思っていたら、モンスターがなかなか出てこない。


 おかしい。


AI

「変ですね。魔素の濃度はE級にしてはかなり高い状態ですが、モンスターが出ないなんて異常ですね。」


 今、地下5階である。スライムすら出ない。


 ボス部屋が普通ならあるらしいが、それもない。

 ただの広い円形の広場があるだけだ。


 そこへ、別の冒険者パーティーが入ってきた。

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