第3章 え?これまでがエピローグみたいなもので、これからが本番っぽいって!マジか!

第51話 海の街の風



 王都から、乗り合い馬車が出発しようとしていた。


 「待って~」


 そこへリュックサックを背負った、金髪の華麗な少女が走ってやってきた。

 馬車乗り場の職員「これは港街ペース行き特急だよ。1人大銀貨2枚だ。」

 少女は職員に運賃を払い馬車に乗り込む。

 馬車は王都の門を出ようとした時、ワッと歓声があがる。

 城に、遠征に出ていた近衛第2部隊が帰って来たのだ。

 馬車は第2部隊が通り過ぎるまで待つ事になった。

 そして、門を出た後3頭の馬達にムチがはいる。


 ヒヒィーン!


 馬車が加速を始める。決して遅くないスピードだ。

子連れの女性

「あら?あなた1人旅なの?」


少女

「はい。遠くから来たもので、乗り継ぎです。」


教会のシスター

「あら?では王都の祭りではなく海洋祭に行くの?」


少女

「王都の祭りですか?」


子連れの女性

「そうよ。

 近衛第2部隊と辺境伯様の軍が、押し寄せるモンスターの大軍を全滅させた事で、王様が褒美を出すそうよ。」


馬車の護衛の冒険者

「その中でも辺境でデスゾーンと名高い死の森から、とても手に入らない素材をもって来て、街の防衛でもワイバーンを全滅させた凄い奴がいたらしい。」


教会のシスター

「そのレア素材で、凄いポーションが作られて、辺境伯様の病気が治ったどころか、重症者もたちまち治ったせいで死者はなかったらしい。」


子連れの女性

「なんでも、無限に力が出るポーションらしいよ。

 それでね、王様はその冒険者に王女様と辺境伯様の娘様と婚約することを許可するらしいよ。」


少女

「え!そ…そうなのですか。」


馬車の護衛の冒険者

「まぁ驚くだろうな。こんな事聞いたことない。」


 そんな噂話をしながら、馬車は港街へと走って行った。



 夕方。馬車は途中で何度も馬を換えて港街ペースへと着いた。


少女

「皆さん有り難うございました。」


子連れの女性

「あんたもがんばりなよ。」


 少女は港はどこかと街の人に聞きながら、港へと向かう。

 そして、バボン王国行きの貿易船に乗り込んだ。

 一番安い個室で金貨3枚であった。


 夜、季節風が吹き出したと同時に帆を広げて出航した。

 3日目までは、平和な航海であったが突然見張りが、鐘を鳴らす。


 船長

 「海賊か?」


 しかし見えて来たのは、巨大なイカであった。


 「あれは、伝説のリバイアサンか!」




 その後2日後、港では船の残骸と少女が被っていた帽子が漂着した。

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