第2章 ホロン王国辺境ペルト街編

第30話 ペルト街到着。

今、モンスターの大軍団はどうもペルト街に直進ではないらしい。


 だがAIさんによると、ペルト街も包囲されているみたいだ。そして大部分は領都にまっすぐ向かっているみたいだ。


 相変わらずスライムすら切れない。

 だが、開発した3つのクリーンをモンスターの群れに向かってかけると、昏倒するやつが出てきた。

 哀れ、昏倒した恐竜は後ろから来たやつに踏まれていく。

 ときどき体が光る。レベルアップらしいが、ステータスプレートが出せない以上今のレベルがわからない。


 今、ツルスベリの木の上にいるのだか、実はこの木が生えている山のすぐ下がペルト街だ。


 ありったけの魔力を使って、下を進んでいくモンスターの群れにいろいろなクリーンを打ち込んでいく。

 どんどん来るモンスター達に昏倒した恐竜が踏み潰されてゆく。

 ときどきレベルアップ光が発生する。この繰り返しだ。


 こんなことをしている内に、ペルト街の石の防壁上で戦っている人達が、俺に気づいた。


 手を振ってくれている。

 こちらもペルト街に突っ込んでいく恐竜達を無力化させる。

 AIさんがスキルレベルアップ光が出たと教えてくれた。

 スキルの射程が伸びた実感がある。


 すると、崖になっている所にいる恐竜を無力化させると、後ろから押し出されて崖を恐竜が落ちて行く。


 ペルト街の兵士さんも、俺が何をしているかわかったみたいだ。


 夜になると、モンスターの動きが止まる。


 疲れた。

 今日1日中ペルト街を目の前にして戦う。

 まだスキルは使えるのでクリーンをかけて汗臭さから、サッパリと開放される。


 腹が減った。

 簡易調理セットでホッケ茸を食べようと用意していると、声が聞こえた。

 ペルト城壁の兵士さんが、板を上げて何か言っているが、真っ暗でよく見えない。


AI

「西門から入ってくれって、書いてますよ。

 用様、敵意は検出されませんでした。

 信用して行きましょう。」


「わかった。」


 俺は、ペルト街の門に向かった。

 途中ワードッグや恐竜のカルノタウルスに襲われるが、ワードッグに3つのクリーンをかけて無力化し、カルノタウルスには大き過ぎなので口にハバネロバナナ1本をプレゼントした。

 泡を吹きながら横に倒れる巨体。無力化されたワードッグ10匹が押しつぶされたみたいだ。


 門から、兵士が30人出てくる。

 カルノタウルスにとどめをさす。

 かなり手ごわい相手だったらしく西門もコイツのせいで陥落寸前だったので、ものすごく感謝された。

 よく見ると、鉄製の大門もかなり体当たり食らったみたいでボコボコだった。


 街の中に入れてもらい、いろいろ質問を受ける。

 地球から拉致召喚された事と、ダンジョンコアの事は、言わなかった。

 真贋判定の玉?と言う魔道具があり、それを使っての事と強敵を目の前で無力化したのがよかったのか、すぐに受け入れられた。よかったよ。


 その後、夜中なのに冒険者ギルドを紹介してくれて、職員さんや冒険者の人達が城壁で恐竜落としを見ていたのと、西門の戦闘の事もありギルドマスターさんが出てきてCランクからの登録になった。


 冒険者ランクは上から、


 X Z SS S A B C D E F


 となるみたいだ。

 X とZは過去の召喚勇者が作ったランクで、本人がオレはプラモで等身大のモビスーツを作った! とか言っていたと言う伝説があるらしい。

 おそらくモビではなく、モービルかモビルだな。


 1番上のランクになれば目からビーム出せるようになれるかもね~なんて思っていたら、あの恐竜はAランク3パーティーでも敵わなかったみたいで、ランク条件の護衛依頼達成さえすれば、すぐAランクにしてくれるみたいだ。

 Sは王様の許可がいるらしいのだが各国基準が曖昧で、実質Aランクの実力しかないものが隣国のブリードル帝国で乱発されているらしく、あまりありがたみが薄れているらしい。

 Aランクになれば王都のギルドマスター宛にS級の推薦状書いてくれるみたいだ。


 腹が減っていたので、ギルドマスター室で二人で食事をしようとなったとき、街防衛隊隊長さんがやってきた。

 ホッケ茸を出した時、驚かれた。

 この辺りでは死の森の奥しか取れず、採取はAクラスクエストらしい。

 まだたくさんあるから10本出してギルド職員さんに調理してもらい、夜勤の職員さん達も加わって出前も頼んでもらい楽しく過ごせた。


 ゴブリンジャイアントが穴だらけで、横たわっている情報は、かなり貴重らしくマスターはハトを2羽飛ばしていた。


 宿も取れたし、今日はよく寝よう。

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