第12話 ホロン王国ペルト街を目指す2

森を進むと、やはりモンスターに襲われる。


 俺は剣を取って戦うが、やはり倒せない。


 いくら首を斬りつけても斬れない。

 突き刺しても、皮を貫けない。

 どうしようもないので、ハバネロバナナを使うしかなかった。


「俺は弱いのはわかるが、ここまで弱いのか。

 さっきのネズミもどきすら、駄目だった。

 ここまで弱いのか。」


AI

「いえ、違うと思います。

 あのネズミもどき、もとい角ネッズーですが、レベル1の子供でも時間をかければ倒せます。

 おかしすぎます。

 ちょうど周りにはモンスターは、私が今眠らせたブラッドドックしかいませんので、実験しましょう!

 目をついて下さい。」


「わかった。えい!」


 プヨン!


 ダメだ、弾き返された。


AI「そこの大きな石を、ブラッドドックに上から落としてしてください。」


 プヨン!


 弾き返された。


AI「今リソースが少し余裕があるので、私がやってみます。」



 さっき石の、3分の1しかない人の拳の大きさしかない石がゆっくりと浮いて、俺の目線の高さで止まる。

 その後自由落下でブラッドドックに当たるが…


 キャン!


 あれ? うわ! 起き上がった! 目を覚ましたか。


 「くらえ!」と、ハバネロバナナを口に投げつける。


 ドサ。哀れ! ブラッドドックは気絶した。


「疲れた。」


AI

「この先にツルスベリの木がありますから、今日はそこで休みましょう。」


 ツルスベリの木。

 この世界に放り込まれてから最初に世話になった木だが、もうなれたもので登れるようになった。

 これもAIさんのおかげだ。


 木の上で、夕食を食べながらAIと話す。


AI

「ブラッドドックは、冒険者ギルドでは最弱でもBランク指定です。

 素早さだけでも脅威ですが、その口に柔らかいハバネロバナナをジャストミートするなんて、もうA級並なのですよ。

 それで、刃が通らないなんてありえません。」


「確かに、さっきの石の反応はおかしかったよな。

 どうなっているんだよ。」


AI

「そういえば、大きな石を収納していましたよね。

 あれを、今集まってきたブルードックの群れに落としてみては?」


 俺と同じ位の高さの大石だ。

 1.8mくらいはある。

 うわ!

 大きな黒イノシシまでやってきた! 


 手のひらを、モンスターに向けて石を出す。


 落ちて行く巨石!

 やはりブルードックに当たるが、ポヨンと弾かれる。

 が、その時変化があった。

 弾かれた巨石がイノシシに当たったのだが、弾かれる事なくあたった!


 プギャー!


 暴れ回るイノシシ!

 飛ばされるブルードック!


 その後、ふらふとイノシシは何処かへ行った。


用 

「呪いか?」


AIさん

「いえ、呪いでも質量無視して弾く事なんて、ほとんど無理です。

 ステータス画面が出せないのが、歯がゆいですね。

 原因がわからない。」


「(?)か…」


AI

「(?)は今は、のたうち回るっていまして、そんな余裕は無いです。」


 俺はAIに召喚の時に起こった事を話す。


AI

「そんな事が…

 あっ!その机の半分が私に当たって再起動ができたのか! 

 本当にありがとうございます。

 あのまま(?)に乗っ取られた状態だと、後どうなったか。」


「あの時の(?)が使っていた光の玉かな?」


AI

「今、カースサーチをかけていますが、呪われてはいません。

 むしろ、その光の玉が今観察してますが、確認できません。

 気になりますね。

 おそらく神宝具の部類でしょうが、その事も含めて天界に報告しておきますね。」


 ふぁ~あ。ダメだ眠くなってきた。


「AIさんお休み~」


AI

「はい♫お休みなさい。」


AI

「まあ、ジョロキアバナナも70kgもありますし、バクダンチェリーが無効化されてしまうかわかりませんが、街まで大丈夫でしょう。」


 異世界の夜は続く。

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