第11話 ホロン王国ペルト街を目指す1

道を歩いて5時間位たった。

 もう村からはかなり離れた状態だ。

 山道をのぼって行く。


AIさん

「もう大丈夫でしょう。」


「そうだね。」

 と学校の制服やスマホ(やはり圏外であった。)などを脱いでたたみ、リュックごとマジックバッグの中に入れる。


AIさん

「マジックバッグは100リットルの容量でしたが、少しこちらのリソースが回復してきましたので、改造しておきます。

 キョピン♪…

 今の容量が3万リットル・重量極限軽量化状態維持かつ時間停止、無生物のストレージ化容量圧縮の機能が付与できました。

 あと目立つので指輪(マジックリング)に変化させました。

 背中のズタ袋に入れたものは、自動的にマジックリングに収容されるように設定をしました。

 あと生きた状態の生物なら100リットル位なら入ります。

 これは意識的に指定してください。

 指定されなければ排出されます。」


 右の手の中指に、キレイな指輪がはまっていた。

 なかなかきれいだ。

 試しにハバネロバナナの一部を両手にと思い描くと、両手に現れた。

 収納と念じるとまた消えた。

 指輪の前に透明なウインドウが立ち上がり、中身も確認・選択ができる。


「さすが異世界!

 便利だな。

 これがこの世界での普通なのか?」


AIさん

「いえ違います。

 このレベルのものはスキルの空間収納などがありますが、アイテムではレアです。

 なので人前では目立たないようにしてください。

 あとこれは用様専用ですので、他の方には触れられません。

 落としても自動的に戻ります。」


「え、うれしいな。」


AI

「良かったです♪♪♪♪」


「?」


AI

「そっそれでは、街の正確な方角もわかっているので、森を横断しましょう。

 まだ死の森が続いていますからね~

 素材~♪素材~♪

 レベル上げ~♪レベル上げ~♪」


 なんとなくはぐらかされた気がするが、モンスターから逃げ回るのも嫌なので、レベル上げもしようと森の中に入ることにした。

 ハバネロバナナも調達したいしちょうどいいかも。


 この時、俺はまだ気づいてはなかったが、この世界に放り込まれてから持っていた違和感の一つの正体を知ることになる。

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