第10話 村でのレクチャー
この村はAIさん曰く、辺境の地にあり規模も小型ではあるが、薬師さんや武器屋もありチュートリアルにはもってこいなのだとか。
AI
「用様、雑貨屋さんに行きませんか?
ここに来るまでに話していた、HPやMPの下級回復薬ならあるみたいです。」
用
「だけど、今日本円なら硬貨で1500円で、後は札で3千円位しかないぞ。
日本の金なんて通じないだろ?」
AI
「うーん、地球硬貨は金属の質と装飾彫刻の精度がいいので、ときどき高い評価で取引されます。
今、この世界をシステム再起動後、高精度スキャンしている最中ですが、過去の被召喚者の関係者も何かの目的のために使用していた形跡データが、確認され始めています。」
AI
「それより、森の中で収穫した木の実とか回復草などが売れますよ。
そ~ざ~い♪
そ~ざ~い♪
高品質の素材で好収入♪」
と、いうわけで村の雑貨屋さんに来たのだが。
雑貨屋・店主さん?
「いらっしゃい、初めて見る顔だな。」
用
「昨日、村にきました。
ここの村ってけっこう品物揃っていますね。」
雑貨屋・店主さん?
「あ~ゴブリン退治してくれた兄ちゃんか、聞いてるぞ。
ここは辺境開拓の拠点だったからな。
ここは、ホロン王国ポンロ村といい、他の村よりは少し種類が多い位だが。
兄ちゃんどこから来たんだ?」
困ったぞ、AIさんと話していたが当分の間は、被召喚者である事を隠した方がいいと言っていたからな~
少しうつむいて、考えていたら店主が、
「あ~ひょっとして、3ヶ月前に魔物の襲撃でやられた開拓村の生き残りか?
兄ちゃんみたいな黒髪の人間も多かったからな。」
そういうことに、今はしておこう。
この世界は店主もそうだが、かなり髪の毛がカカラフルだ。
金・緑・赤・灰・オレンジなど村の中で確認できただけでもかなりある。
黒は俺だけだ。
AI
「素材♫素材♪」
そうだった。
用
「これって、売れますか?」
と、紫のキュウイフルーツ?とか、青いオレンジ?緑のナスビ?など、1個づつカウンターにおいてみる。
雑貨屋・店主さん
「?! え!
こ、これはポロの実にラトの実!カラナスビじゃねーか!
これだけで、ハイエーテルや万能解毒剤に上級回復ポーションが作れるぞ。」
緑のナスビって、カラナスビって言うんだ。
ここでもナスビはナスビらしい。
雑貨屋さんの女将さん?
「なんだい、朝から騒がしいね~」
店の奥から、かなりの金髪の美人なおねえさんが出てきた。
雑貨屋・店主さん?
「これ見てみろ。」
雑貨屋・女将さん?
「これは!かなり高品質なポロの実だね。
他のやつもだ。
死の森のかなり奥に行かないと、なかなかないものだ。」
俺
「奥様ですか?
すごい美しい方ですね。
金の髪が光っている。」
雑貨屋・店主
「はは、違う違う!
俺の母親で村唯一の魔法薬師さ~。」
雑貨屋・店主母
「嬉しいこと言うね~。
魔法薬師ミレイ・ヴァーミリオンさ。
よろしく。
なるほど、昨日のゴブリン退治してくれた助っ人は兄ちゃんか。(あれ?)」
ミレイ
「この素材まだあるのかい?」
用
「はい、ありますよ。」
リュックの中からジョロキアバナナ?を残して出してみる。
ミレイ
「すごい!
全部売ってくれるのかい?
そのジョロキアバナナも少し分けて欲しいのだけど。」
ジョロキアバナナで正解だったみたいだ。
なんでも超強力魔物避け剤の原料で、都市や村から領軍など需要がかなりあり、魔性の森と呼ばれる分類の森(死の森など)の奥深くしかないので、なかなか手に入らないみたいだ。
ミレイ
「ラント、お金もっておいで。
これは王都でもなかなか手に入らないよ。
オークションだと、大ミスリル貨2枚からだね。」
ラント(店主)
「母さん!このポンロ村の金全部集めても無理だよ。」
この店主はラントさんで、この村はポンロ村と言うらしい。
用
「あの~旅の途中だし昨日タダで泊めてもらっうえに、
村長さん達にも良くしてもらっています。
それ使ってください。村の人で重症者の方もいますし役に立てれば。」
ミレイ
「タダでもらうわけにはいかないよ。」
ラント
「そうだ!
前に領軍の払い下げの品でマジックバッグがあるぞ。」
あるんだ!マジックバッグ。
さすがファンタジーっポイ異世界。
ミレイ
「そんなもので足りるかい?」
用
「あの~大丈夫です、旅の途中なのでそんなに大金はもたないので。」
ラント
「じゃあ店のもので、欲しいものをどれでも言ってくれ。
旅には役に立つものがそろっているから。」
用
「ありがとうございます。」
結局、マジックバッグに保存携帯食料。
軽い防具と鉄の剣に丈夫な靴に下着類。
回復薬とか野宿用テントに大銀貨や少銀貨や銅貨類に鉄貨20枚づつと交換になった。
あとマジックバッグ偽装用の袋と、村長さんが街の門番通過用の木札と、ペルトの街までの地図を用意してくれた。
ついでに冒険者ギルドへの手紙も頼まれた。
昼に近くなる頃、村人総出で見送られ隣の街、ペルトの街を目指すことにした。
村人
「また来いよ~」
用
「ありがとうございます。」
荒んだ学校に浸からねばならない日々や、あの(?)の対応からすればこの村温かい。
また来てみたいなと思い、道を歩いていく。
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