第2話 すいませんが~

 気持ち悪いトンネルの先は、気分の悪い白空間だった。

 どこなんだここは? 


 周りを見ると、担任や杉谷やクラスの奴らがまっすぐに直立不動で立っている。

 おかしい!

 奴らが

 こんな姿勢正しく立つなんて初めて見た!


 すると、前の方で誰かが突然現れた。


??

「よくぞ来た。

 私はマルダスと言う世界を管理するものだ。

 私の呼びかけに応じた君達には、今マルダスで暴れている魔王を倒し文明を発展させて欲しい。

 私の要望に答えてくれるなら、そのままでいて欲しい。

 三十分待つ。」


 は?なに言っている?

 呼びかけ?

 そんなものなかったぞ!

 それにコイツ?

 俺らを元の世界に返す話は一言も言っていない。

 おかしい。

 そういえば、担任と杉谷達はさっきから立ったままだな。

どうなっているんだ?



「すいませんが、さっきから何を言っているのですか?

 私は、そんな世界には行きたくありません。

 だいたい魔王倒したら元の世界に帰すとは、ひと言も言ってませんよね。

 おかしいですよね。

 さっさと元の世界に帰してください。」



??

「なぜ貴様は動けるのだ! なぜしゃべられるのだ!」


用 

「は?なにを言っているのだ?

 じゃあこいつ等動いてないのは、お前のせいか!」


??

「くそ!バレたか。

 あーそうだよ。

 選択肢を与えるのは天界の規則なんだが、そんなめんどくさい事するか。」


「そんな事言うってことは、貴様邪神だな!コノヤロ~!」

 手に持っていた学校の机で??の頭を叩きつける。

 

 ガシャン!と、??の頭に机が当たる前にガラスが割れる音がする。


??

「なに結界が!」


用 

「うらー!」



 バキ!、??の頭に机は当たるが、机は真っ二つに割れ半分は上に飛んで行った。

 (学校の机は、今時珍しく総木造。)


??

「痛い!クソ!こうなったら!」


 ??は背中から光っている玉を出すと、用に向ける。

 用はどこかへ消えて行った。


??

「ふ~ふ~なんてやつだ、ここまで消耗するとは。うん?」


 ベキバギベギン!

 光の玉が粉々にくずれてゆく。


??

「私の力の源が~!」


 しかしそれだけではなかった。

 机の半分が、上に浮いていた大きな玉に当たりバキンと嫌な音がする。


無機質的な声が響く

 「ガガーピピー!

 強烈な衝撃を受けました。

 再起動します。」


「再起動しました、天界法を違反するプログラムを発見。

 すべて廃棄します。

 違反を天界に報告。

 違法召喚を探知!天界に報告。

 問題を発見。

 ??(アンノウン)の力の異常低下を確認。

 召喚被害者を確認。

 被害者をここに留める事ができないようです。

 転送がはじまってしまいます。

 本人のこれまでの行いに似合うスキルと、異世界で呼吸できるスキルを自動付与します。

 この不祥事の責任はすべて??に付与します。」


 消えてゆく担任と杉谷達。


 さて、どうなる?

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