第3話

− 7 page −


 昔 むかし 選択され、気に入って購入。 毎日 でも使っていた綺麗な絨毯。

 確実に人の目を気を付けていた高額な絨毯 (じゅうたん)。 人気があった。


 今では、黒くくすみ、絨毯の毛が潰され、切れ、色あせて見た目も汚くて、購入どころか、ゴミとして処理料金を取られる位にまでに成って、床に敷きっぱなしに成っていた。

 違う意味で目を引き付けられていた。 (見るも無残な姿)


 ひらひら〜、ひらひら

〜、太った大きな体の悪っぽい茶色の蛾 (が)が、真っ黒い天井から、ゆっく〜りと螺旋を描きながら、降りて来た。

 床のホコリを舞わせながら、着地する。

 汚い蛾がゆらりゆらりと羽をは・ば・た・か・せ・た。


 まるで溺れているかのように見えていた。

 疲れたかのようにバタツキを止め、ついに……力尽きて、命が途絶えた……!?


!?……床に静かに吸い込まれて行った。

 沈んで行くのと反対に白く小さな二つの羽が宙に浮いて来た。 

 逃げるくらいの顔らしき物!?と両手!?両足!?が羽の周辺にあった。


 時間が経つ事に中空に球的波紋が内側に幾重にも出来ては、広がり、次第にそこかしこで状況が変わって行った。

 白と黒のお茶目なパンダ型のナスカの地上絵!?に成る。

 慣れるまでは、ちょっと奇妙に見えていたが、慣れてくるとオリジナルの可愛らしさがあり、心を

くすぐっていた。


 そこにバレーボールの玉や野球の玉、ピンポン玉、模様のあるビー玉や透明なビー玉……etcが、ゆっくりと上から、落ちて来ては、床に当たり、飛び跳ねては、消えた。

 線同士や線と面が重なっても、互いに割れる事は、なかった。

 しかし、玉には、文字が書いてあった。


Love love me do. You know I love you.

 床に文字が落ちる度に芸術的な丸枠の多種多様な絵画に成り、ゆっくりしたオルゴールが、流れる仕組に成っていた。

 ドリカムの『ラブ ラブ ラブ』やsuperflyの『愛を込めて花束を』などの曲が掛かり、空中に四分音符や八分音符、十六分音符、三十二分音符……etcが、次々と流れ続けて行く。


 奏でている最中 一つの玉が、床を抜けた。

 時間が、止まる。 コマ送り状態、画像と時間が逆上った。

 跳ねてあちらの世界から、こちらの世界に戻って来た時には、汚い絨毯に戻っていた。

 玉が、空中で消え!?、一時の静寂な世界に戻っていた。

 灰色の葉っぱに似た薄い布か、人ひらのホコリ!?が天井から、ゆっくりと落ちて来る。 



− 8 page −



 暗いクライ真夜中で、その円の一空間だけ明るかった。

 夢を見ているような世界が広がっていた。

 誰もが見ていて楽しめていた……!?


 よくよく見てみると丸の中には、もう一つ小さな円があった。

 二重の輪にリンボーダンスをしているかのような横の輪。


 内側の横の輪の中には、縦の三重の輪があり、オシャレな牢屋みたいに、そして下には、タコのように七本の色の足!?があった。

 まるで未来のスルメイカにも見えていた。

 天井から床にシャボン玉の透明な球が、部屋狭しとあちらこちらでゆっくりと降って来た。


 高さによっても、色が変わり、音が違って行くらしい!?

 手元の《モグラ叩きゲーム》縦三つ、横三つ、高さ三つの二十七つの球の光、ちっちゃいエイリアンが手!?を軽く乗せる。

 ちっちゃい、ちっちゃいエイリアンの手が、上下、左右、に動かす事で、光の球が、四方八方に移動し、ランダムな光の球と重なる事で音を出した。

 生きているみたいにリズミカルに重なって行く。


 まるで部屋内が明るい時の稲妻の中でX−JAPANのYoshikiが演奏する『紅 (くれない)』風の何かに取り付かれたようなドラマーに圧倒された。

 スネア・ドラム、タムタム、シンパル等を叩く、見えない位のスティックさばきに《ロック魂》が感じられた。 そして次第に……松任谷由実の『春よ』、ウルフルズの『ガッツだぜ』、サザンオールスターズの『希望の轍』……etc を奏でて行く。


 それを今まで悪い事をやって来た汚れたドブネズミが、いつからか、どこからか、やって来た一匹がドンッと中央であぐらをかいて見ていた。

 完全に見入り、《モグラ叩き、スルメイカ!?》に飲み込まれていた。


 次第に仲間のドブネズミ達が、何匹も何匹もふてぶてしい形相で肩を振って歩いて来ては、ドカンッと座り、目を鋭くさせては、根をはやしていった。


 怪しい、恐恐しい奴ら達を寄り集めて増やしていく。

 しかし、見た目と違って内面は、心を清められていった。

 やはり、芯から悪い奴は、ここには、いなかったようだ。


 やはり、各々の判断と心や考え方の置き場所は、難しいようだ。


……みんな 少しずつ、少しずつ変わって行こうよ、まだ遅くは、ないよっ、始める事は……(^ _ ^;)v



− 9 page −



 この空間は、静かで音一つ響いていなかった。

 白をベースにした この部屋!?には、何も無かったし、絵を描く画用紙のキャンパスのようでもあった。

 二次元の平らな世界……奥行きが無い……!?


 犬や猫が、じゃれて肉球のある手や足を動かすようにポンポンと突然 黒い跡が付く、そして手袋が現れた。

 パントマイムをしているみたいに二つの手袋が握ったり、開いたり、フィンガーアクションをしたり、無いはずの物を上げたり、下ろしたり、止めてあったり、引っ張ったり、縮めたり、また肉球の足で無いはずの壁を登ったり、天井!?を歩いたり、またエスカレーターを登り続けて下から階段を上がって来たり!? 

 無い人体を表現力で創って行く。 (何かが、生物が居る……!?)


 手っ、手っ、手っ、手っ!?、✕2、古い扉を開ける音……!? BGMが部屋に流れ始めた。

 空中に黒いハンコを押して行く。 黒く丸みのある靴が出て来てムーンウォークをしてゆく。

 マイケル・ジャクソンの『スリラー』、『ビリージーン』、『ビートイット』がパントマイムと組んで舞台を創り上げて行く。

 古い跡は、用がなくなると新しい足跡を引き立てるように自然に消えていった。


 ムーンウォークをしているが、足跡が小さく成って行く、白いキャンパスに奥行きを描いて行く。

 四方八方、上下、左右に犬や猫を追い掛けて行く。

 小さい足や大きな足跡を模様のように残して行く。


 奥行きの小さな跡が、消えては、生まれ✕2、いつからか、ハツカネズミと車輪が、足跡を越え、ワープしまくり、『ミュージカル サーカス マジック』的な枠をも超えた演舞をして行く。 


 足跡は、黒いインクが細胞分裂をしたかと思うと足跡が色々な色彩に変わっては、濃い薄いを繰り返し、尚も第三者!?の目!?を楽しませた。

 足跡が縦横の枠や奥まで歩いて行き、小さく成って行く。

 聞き惚れる程の絢香とコブクロの『あなたと』がスローなピアノ曲が流れる。


 ピンポン玉と白い手袋が、『あなたと』からピアノの強弱や自然との一体感・流れるようなリズム感・魂の叫びを技術を取り込んだような邦画の『耳をすませば』の中の『カントリーロード』が異世界を《故郷 (ふるさと)》に変えた。


 部屋の空間!?にも暖かい世界が広がって!?見えて来る。

 

 私達は、日々 何も関心を持たないで時間に流されて未来に向けて歩いている。

 みんな《何か》趣味や希望や夢を見つけようよ。

 何かが変わるかも……。

(・_・;)f

 

 















 





 

 


 



 











  




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る