第2話

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(おれだって……!?)

(わたしだって〜……!?)


 こんな奴らにも心の声を傾け、聞き入れた。

 神様は… …天使達は、叶えてあげようと思った。

 夢の世界を。


 疲れたように でも、きれいに成っていた。

(あなたの願いを叶えてあげるわっ)

(えっ、本当、叶えてくれるのっ、あなたは、天使なのっ……!?)

 魔法の棒をベテランの指揮者みたいに振るう。


 汚れて色の付いた物や絵柄にまだらの入った物、模様に泥が入った物は、皆 洗濯機で綺麗に洗われ、脱水され、干してあった。


 願い事は、『楽しく空を飛ぶ事』だった。 

 いつもは、地面に一番近く、人間の汗を取り、保温や保護をし、汚く成り、臭く成るのが仕事。 だから、気兼ねなく、空を飛びたいという話しだった。


 指揮棒が振られ、一緒に干してあるバスタオルの幕に囲まれ、靴下に魔法が掛けられる。 

 ピヨピヨピヨ、ニャーオ、ニャーオ、ニャーオ、ワンワンワンッ、そして最後に除夜の鐘のようなゴ〜ン…というBGMが流れた。


 ピヨピヨピヨという声に引き付けられたのか!? どこから!?ともなく蛇が現れた。 自然に羽を広げる、それは、蛇では、なくゴールドのドラゴンだった。


 ピラミッド型のジェットコースターがあるかのように徐々に上に上に上がって行く。

 そしてバスタオルの幕を襲ったのだった。


 ドラゴンが消え、バスタオルが、ひらひらと落ちると同時に靴下の絵柄のオルガンが、空中を浮遊した。 分身して何台にも成り、ソロバンの形を創り出した。


 靴下が綺麗にアレンジされ、蝶々型に切られ、模様が付けられ、坂本龍一の癒やしのピアノ曲 『エナジー・フロー』ten⤴、ten⤵、ten⤴、ten⤵♪、ten⤴、te、te、ten⤵♪ が、流れると同時にソロバン玉 サナギ!?から、孵化し、自然に蝶々に変わり、四方八方に散らばり、空中を楽しんで舞い踊るソックス蝶が、庭に居た。


 色とりドリの多種多様な綺麗な靴下達(ソックス蝶)が、すがすがしく太陽の日差しに向かって輝いていた。 

 そして、普通に輝いて物干し竿にぶら下がっている姿も天使には、見えていた。



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 一団体が催し物を行なおうとしていた。

 デブっちょと背〜たかノッポとチビは、床体操をするような白い格好で揃って歩き出て来た。 中央で一列を作って止まる。


 三ロール!?以外は、何も無かった。

 小刻みにドラムの小三ロールを叩く音がする。

 背〜たかノッポが、両手を出して見えない棒を掴む。

「はいっ」

 真横に成り、

「よっ、よっ」と掛け声を出して

出初め式(でぞめしき)のハシゴ!?を上に登って行く。 


 デブっちょも両腕を出した。

 見えないポールを掴んで両足で空中を蹴って横に成って登って行った。


 チビもそでをめくり、小さな腕のコブを出し、無いはずの棒を両手で握り、横に成り、空気を足で蹴って小三ロールのトイレットペーパーを真横で鳴らし、一番下で石原裕次郎の『嵐を呼ぶ男』「俺らは、ドラマー…ヤクザなドラマー…」でリズムを取りながら、三匹!?でエアー鯉のぼりを演じて見せた。


 楽しげなオルゴールが流れる。

 それは、みんなに好かれている『笑点のテーマ』曲だった。

テンテケテケテケ♪、てっ、てっ、ピー♪

テンテケテケテケ♪、てっ、てっ、ポー♪

 の【てっ、てっ】の所で三ロール共 空気を足で蹴ったのだった。

 単調で面白いと回りの備品達から、多くの拍手を貰う、もらう、モラウ。 喝采の嵐に成っていた。


 欠点を乗り越えて頑張って行く姿が、備品達に喝采を浴びる程の感動を与えたものだと思われた。


 努力・自分を越える力・相手の心を動かす力、素晴らしい事だと思う。

 みんなの中にも必ずあるんだよっ。 負けじに何回も何回も挑戦してみようよ、ネッ。 後悔をしないようにさ〜、失敗を恐れずにさ〜。 (◠‿◕) 



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 八月十五日のお盆頃 町内で配られた風鈴が風になびかれ、そこらじゅうで涼しげな音を奏でていた。

 しかし、その鈴とは、裏腹に古びた埃のかぶった茶箪笥に昔 飾られた鈴が多く整列を成して並べれていた。


 ゴー、ゴゴッー、ゴゴゴーッ、茶箪笥が揺れる、物が倒れる。

 ガラス物、瀬戸物類が当たったり、落ちたりして割れた。

 バリーン、バリバリリーン、バッシャーン…!?

 床に落ちては、割・れる・散・ら・ば・る。


 しかし、何物かの力が加わったのか!? 掛かったのか!?……ゴ〜ン、ゴ〜〜ン……。

 散らばった物が、割れた高さに浮き上がって行くと点滅して行っては、移動、再生。 浮いて、点滅、移動、再生というリズムで壊れた物が、リサイクル!?されて行った。


 八つの鈴が一線に並んだ。

各々に個性を持ち、鈴にオリジナルのカラーが煙のように微粒子化し、まとわり、色付いて行く。

 目の前をたたまれた小さな小さな傘と見えないバトントワラーが通り過ぎて行った。


 鈴が幼児のバレリーナみたいに成り、ゆ〜らゆ〜らと慣れないみたいに踊り出す。

 可愛い白スカート姿とバトンで、奏でられている『エーデルワイス』という曲で生活用品を癒やしていった。

「エーデルワ〜イス、エーデルワ〜イス…」低い歌声!?らしかったが、聴こえやすい天使!?の高い美声に成り、みんなの心に響いていったのだった。


 綺麗なな指先とステップ、そして、高いジャンプで両足が浮いて開いた。

『エーデルワイス』が消え、一瞬だけ白鳥の湖に変わる。

 ピンライトが当たると鈴が、次から次へとジャンプし、アニメ映画を見ているみたいに単純に動いた。


 色が変わって行き、八匹が順次に消えて行き、一匹だけの白鳥に成り、『白鳥の湖』を踊り始める。

 白や七色の着せ替え白鳥の湖を演じた。

 声や動きが無い日常用生活用品が、心を撃ち抜かれ、右へ→左へ←自然に体を揺らされていた。


 楽しかった時は、過ぎて思い出に変わって行った。

 いつからか、フィナーレのジェンカが流れ出す。

テケッ、テ〜レ〜テレレレ〜♪ レッ、レッ、レッ♪ レッツ、キス、頬寄せて♪……。

 みんなが前の相手の両肩に片手ずつ、両手をポンッと置いていた。


 右、左♪ 前、後ろ♪ 前、前、前♪ 見覚えのあるリズム感で、みんなが楽しんで踊っていた。

 一人、また一人と画面から消えて行く。

 もちろん、笑顔で手を振って。

(◠‿・)✋








  


 



 




 


 






 



 






 









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