第21話 ※
孤児院に戻ったらヒメの要望通り、ひたすらカルボナーラを作らされた。
今日は料理当番ではなかったはずなのだが、姿を一瞬でも消した俺は罰としてご飯を作らされた形だ。
ヒメの陰謀によってな!
しかし、今日は色々とあったな……。
ミカと相対していた子供達は同じ村の出身なのか……さすがに見過ごせなかったので間に入ったのだが──
あれからミカの様子がおかしい……。
殴られる事が増えた。いや、これはいつもの事か……でも頻度が多い気がする。
というか距離が近い……。
「また逃げないように私がしっかり監視するから」とか言ってたからな……。
他にも俺が偉そうな事を言ったから仕返しだろうか?
幸いなのはプレゼントした髪留めはつけてくれている事ぐらいだろう。
急いで道具屋に行き、全ての薬草を売り払って髪留めを買いに行ったからな……。
薬草の買取も売りに来たのが子供という事もあったからか相場よりも大分安そうだったな……。
その代わりに髪留め買う時は値切りまくったが……。
まぁ、次はもっと高く買い取ってくれる所を探そう……今は売る物が無いからいいや。
とりあえず、早く寝たい……もう体が限界だ……。
部屋に戻ろうとすると──
扉の前でサラさんがそわそわしながら待っていた。
「あ、ロキ君、今日もお願いしますね?」
「…………今日はもう体が限界なんです……」
お願いとはマッサージの事だ。
実はサラさんだけは毎日夜のマッサージが日課になっている。
ヒメが“快感増進”するから、毎日エロい声を聞く事になっており、俺は眠れない日々が続いている。
さすがに今日は早く寝たい。
だから疲れている事を理由に断る事にした。
「そう、ですか……今日してくれたらアルベルト様に訓練を少し軽くしてもらえるように進言するのですが……」
「──やりますッ! 是非やらせて下さい」
『そして、エロい顔を見させて下さい★』
俺は即答でやる旨を伝えた。
ヒメがメールで相変わらずの変態ぶりを見せてくれているが、もう慣れてしまった。
こいつはもう空気と同じ扱いをする事にしている。
それより、訓練内容が軽くなるならエロい声の乱舞でも耐えるッ!
──そう思ってた頃もありましたッ!
「あッ♡ んッ♡ んんッ♡ もっ、と…ひゃッ♡ ひもち…いいん♡」
枕を唇で咥えて、声を出すのを我慢しているのだが、喘ぎ声は普通に聞こえてきている。
むしろ布を咥えて喘ぐ事により、エロさが更に増しているように思う。
それもこれも──
『ふむふむ、中々良い感じ★ まだまだ逝かせないよ♪ もっと恥じらいも欲しい☆』
この変態のせいだ。
じっくりと魔力の強弱をつけて焦らしていやがるのだ。
そのせいで俺は長い事股間の痛みと闘っている。
もう30分は余裕で過ぎている。いつもなら終わっているはずなのに……。
後、薄着なのは本当勘弁してほしい。
我慢するのが辛い……。
いつになったら終わるのだろうか?
「ハァ、ハァ……ひっぐぅ……ロ、キ……アンッ…くぅん…奥、まで……お願い、します」
通訳すると、力加減が弱いのでもう少し強く奥まで押して欲しいという事なのだが、卑猥に聞こえるのは俺の気のせいだろうか?
ヒメのせいで俺はどんどん汚れていっている気がするな……。
明鏡止水だ──
違う事を考えよう。
この『マッサージ』の“快感増進”の効果は大分わかってきた。“疲労回復”も把握している。
「……そ、そこッ──あん♡ 」
…………。
だが、“傷の治療”だけはどうするのかさっぱりわからない。色々と試したいが孤児院の人達を実験台にするわけにはいかないだろう。
「ひゃんッ、あ、んん……奥の方から──溢れそう♡」
…………。
サラさんの声で思考が中断される……“ナニが”溢れるのか気になるじゃやいかッ!?
俺の手はちょうど、お尻をマッサージ中だ。
とても柔らかい。
押して、離すと──ぷよんッ、と弾力で肉が跳ね返ってくる。
ん? 何かある?
俺はお尻をガン見すると──
ある事に気付いた。
別にエロい事ではない。
服越しにお尻の中心にピンク色の点が見えたのだ。
とりあえず、気になったので押してみる事にした。
「ふぁッ?!」
サラさんは一瞬、上半身がのけ反った。
この点は何だろう?
特に害がある感じはしない。あえて言うなら、この状況が俺にとって害である事ぐらいだ。
今度は魔力を込めて押してみよう──
「あ、やッ──い、く……アァァァ────」
…………どうやらこのピンク色の点は更なる快楽を与える事が出来るようだ。
サラさんはグタっとしており、涙目になっていた。
これは素晴らしい能力だな……これさえ突けば逝かせられるようだ。
今度は無防備なサラさんのお尻だけではなく、全身を見る。
すると点が複数あった。おそらくツボと呼ばれるものだろうと推測する。
この『マッサージ』の使用中だけ微かに人体に印がつくっぽいな。
その印には何種類かの色がある。
どういう意味があるのかはわからない。だが、ピンク色の効果はわかった。
赤は場所的に急所っぽいな。
青、黄、緑色はわからん……。
効果がわからない以上はサラさんは当然ながら孤児院の人達に試すのは無理だな。
ヒメに後で聞くか……。
「も…っと……激、しく…してほしい♡」
サラさんから猫撫で声でまさかのリクエストが来てしまった……。
しかも上目遣いだ。更に言うと肌着がはだけており、おっぱいの突起が見えそうだ。というか既に綺麗なピンク色が見え隠れしている。
あまりの可愛さとエロさに俺の股間は暴発寸前になる。
『ヤれ』
お前のヤれ、はどっちのヤれだよ?!
襲うのか?! それとも逝かせるのか?!
『どっちでも十分面白い結果になる(笑)』
お前、後でぶっ飛ばすッ!
というか、ツボの事とか教えろよな?!
1番良いのはこのまま去る事なのだが、ヒメによって紐で足をベッドに固定されていて動けない。
襲うのは無しだ。俺は『変態』紳士だからな。
…………心の声を言っている途中に紳士の前に『変態』って被せるんじゃねぇよッ!
さっさと逝かせて終わろう。
意を決して行動に移そうとすると──
いきなり扉がバンッ、と開かれた。
「そこまでよッ!」
「ミカさぁん?! 助かったッ! 助けてくれッ!」
「この場合──助けるのはサラさんだと思うけど?」
「ちょっと待て! それは誤解だッ!」
ジト目を向けるミカ。俺がサラさんを襲っているように映っているのだろう。
だって、サラさんの服ははだけているし、涙目だし、少しピクピクしているもんな……。
まぁ、確かに俺の言い分は無茶があるのは重々承知だし、俺が“ナニか”するとエロくなるのはミカも知っている。
だけど違うんだよ!
俺もまさかこんな事になるなんて思ってなかったんだよ!
「……今日の所は見逃すわ。これからは変な事しないように私が付き添うから」
「え?」
まさかの返答に俺はキョトン、となる。
最悪、殴られる事を覚悟していたからな……。
今度からマッサージはミカの監視付きか……それはそれでキツいんだが……俺の息子がビンビンなのバレるじゃないか……。
「なにか?」
「いえ、なにも……」
「さぁ、行くわよ」
今日の事を他言されるよりはマシか……。
おねだりするサラさんをミカは放置して俺を部屋から連れ出す。
我が天使は大層残念そうにしていた。
「……(私もしてほしいな)……」
「…………」
ミカから小声でそんな言葉が聞こえてきた。
……何故そんな事を言われるのだろうか?
俺はミカには“快楽増進”は紐を使ってしかやっていない。マッサージは“疲労回復”しかしていないはずだ。
マッサージが気持ちよくて癖になっているのか?
さすがに性欲目的って事はないはず。
だが、ここは異世界だ。婚期は子供が産めるようになってからだと聞いている。
年齢的に興味を持っていても不思議ではない。
わからぬ……。
『ふっふっふ、僕が少しずつ快楽を植えつけた成果だね♪ これは計画を進めるしかない★』
──お前のせいかよッ!?
というか、また悪巧みとか勘弁してくれ?!
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