第16話 ※
両手から1本ずつ紐を出して『マッサージ』を付与し、腕に巻き付けて準備を完了させて構える。
更に体の紐には『地獄耳』をセットした。
何本の紐にスキルが同調させる事がわからないが、3本なら問題なさそうだ。
地獄耳をセットした理由は簡単だ。音による気配察知を目的にしている。まぁ、何もないよりはマシ程度ではあるが。
準備が完了した俺は一気に距離を詰めて体技“回し蹴り”を行う。
回し蹴りは当たれば大ダメージが期待出来る。
だが、モーションが大きいので隙だらけで、本来であれば隙を見つけた時に放つべき体技。
1発目から使うと反撃される可能性の方が高い。
「──甘いですよ♪」
思い通り、回し蹴りは簡単に避けられ──脇腹に向けて拳が放たれる。
「──そっちがね?」
俺は待ってましたと言わんばかりに両手から【蛇】を使うと、サラさんの拳に巻き付けて避ける事に成功した。
避けると言うのは語弊があるかもしれない。
その時──
紐が絡まった瞬間に「アッ」と艶っぽい小声が聞こえて来た。マッサージさんと地獄耳さんは仕事をしている。
『マッサージ』の快感増進効果が発揮されたようで拳の速度が遅くなり、標準がズレたと言った方がいいだろう。
紐は直ぐに千切られたが、触れるだけで効果はあるのがわかったのは収穫だ。
これならなんとかなりそうだ──
それから、どれだけ時間が経ったのかわからないが、しばらく俺とサラさんの攻防は続いた。
こっちは紐と体技の合わせ技というのにサラさんは体技のみでなんとか戦えている。
紐が触れる度に快感増進が作用して、たまにサラさんから艶っぽい声が聞こえてきたり──
他にも見学しているアルベルトさんや子供達からも称賛の声が聞こえてきたりもした。
中には俺の戦う姿が踊っているようだと言っていた気がする。
紐を自在に操り、相手の攻撃を避け、隙を見つけては反撃する姿は踊っているように見えるのかもしれない。
俺にしか出来ない戦術だ。
【
現時点で格上にこれだけ戦えるのであれば、魔法を組み合わせて更に昇華させる事が出来れば──
最強だって目指せるかもしれない。
とまぁ、戦闘中なのにこんな事を考えていた理由なのだが──
『地獄耳』さんのスキルが仕事しているお陰で色々と普通に聞こえてきたからだ。
外野の声はまだ良い。サラさんの声がキツかった。
だってさ……サラさんから聞こえてくる声が──
「アッ♡」「んんッ♡」「あは──んはッ♡」と耳元で囁かれているようで精神がガリガリと削られた。
……まさに地獄耳だけに地獄だった。
いや、地獄耳をセットするの止めたらいいんだけどさ……セットから外そうとしたら──
ヒメから『もっとエロいのをッ! スキルは解除させんからなッ!』とメールが来て、試しに解除しようとしたら解除出来なかったんだ。
せめて『地獄耳』だけ外して欲しかった……。
声だけでもキツいのにおっぱいが揺れる音も聞こえてくるんだ……『たゆんッ』『バルンッ』『ぷるんッ』ってさ……。
だから俺の股間は熱く激っている。
この年齢なら精通しててもおかしくはない。現に
俺は限界突破寸前だ。
対するサラさんも頬は赤くなり、息が荒くなって来ている。
一応、戦闘は継続中ではあるが、サラさんは本調子にさせずに立ち回っているお陰で俺はなんとか回避が出来ている。
もはやお互いに精神力──
いや、どちらが先に限界突破するかの勝負と言っても過言ではない。
しかし──
もう少しで来そうだ。
サラさんに快感のビッグウェーブがッ!
今までのように生半可に紐を触れさせるだけではダメだ。
強烈なトドメが必要だ。
オークをも捕まえた紐の網が1番触れる面積も多くて良いだろう。
その為には隙を作らなけばならない。
紐を出せるだけ出して目眩しにしてから一気に網を放出するッ!
──良しッ、今だッ!!!!
一気に紐を出現させる──
サラさんは紐の包囲網に触れた瞬間、“快感増進”の効果が無い事を見極めて一気に突破してくる。
これだけ勢いのある直線の動きなら避けるのは難しいはず。
体技“ステップ”で後ろへ下がりながら【網】を放つッ!
後ろに飛ぼうとしたら足が動かなかった。
足元には地面から生えた紐で足が固定されていた。
そしてメールが表示される。
『果てた2人が見たい♪』
──ふざけんなッ?! 何でお前が俺の紐を勝手に操ってんだよ?! ラーニングとかしてねぇよッ!!!!
──?!
気が付けば目の前にはサラさんがいた。
仕方ない、このままやるしかない──
“紐技”──
『“紐技”【網】──重ねがけ★』
ヒメのメールの方が技名を先取りした瞬間だった。
せめて、技名ぐらい心の中で言わせてくれよな?!
ふと、周りを見ると──
全方位から網が俺ごと包み込もうと放たれていた。
「──ゲフッ」
サラさんの拳は俺の鳩尾にめり込む。
直ぐにその場を離脱しようとするサラさんを無我夢中で逃さないように抱きつく。
俺の顔は丁度サラさんのおっぱいに埋もれる。
至福の瞬間だった。
おっぱいは柔らかい──間違いなく真理。
もはや痛みなど感じぬわッ!!!!
網はそのまま俺達を包み込み──
「──ふぇ?! やぁ…ん♡ あ、アァァァァッ、こん、なの──初め、て……──んはッ──んんッ────」
“快感増進”の効果が発揮し、サラさんのエロい声が発せられる。
おっぱいに埋もれている俺を更に腕でホールドした上にギュッ、と締め付けられた。
女の子の体は温かいし良い匂いだな……これは新発見だ。
しかも何故かスリスリ、コスコスされている。
我が生涯に一片の悔いなしッ!
網に捕縛されたまま──
俺達2人は限界突破を迎え、紐の中に入ったまま倒れる。
そして、俺は賢者──いや賢帝タイムに突入した。
『グッジョブ☆』
ヒメは満足したようだ。
俺も大変満足した。まさか異世界でおっぱいに埋もれた上にエロい体験が出来るとはな……。
サラさんを見ると汗だくでグタッとしていた。
まさしく汚された天使だろう。
いやぁ〜紐魔法とマッサージの組み合わせは最高だな。
マッサージみたいなスキルを得れるなら
うん、これからも養われよう。
そう、これは強くなる為だ。
大事な事だからもう一度言うが、これは強くなる為に必要な事だ。
実際、魔法を組み合わせたらかなり強力のはずだ。
運良く掴んだ新しい人生だ。楽しみたい。
…………さて、このパンツどうしよ?
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