第3話
あれから?
大人しく言う事聞いて,
席に着いたよ.
教室戻って金も返した.
して,午後の講義受けて,
完璧やん.
帰ろっち思った時,
「サークル.」
っち七宝が腕掴んだ…
「お前,空手で入ったんやけん,
こんなサボると…
どうなるか分かってんやろうな.」
っち脅すんよ.
バイト入れんくなるっち連絡付けて,
少々…
いや,だいぶ面倒な事になってた.
あちこちペコペコ謝って,
都合つけて,
都合つけさせて…
その間,冷静な顔で突っ立ってる
(多分,見張ってるんやろ)
七宝が小憎たらしいったら
ありゃしねぇんだわ.
もうすっかり暗いやん.
あぁ,何で,
こんな時間まで.
体ギチギチやし.
あぁ…
やっとバス来た.
もう何だか何も言えんくて,
無言でお互いにバス待ち.
愚痴も八つ当たりも
全部し倒して手詰まり.
ステップ上がった瞬間,
ヤバイ…
何か,このバスん中,
ヤバめ.
何だろう…
きゅいーんとか,
ちゅいーんとか,
何かそんな感じ.
降りるか?
「なぁ…」
「んあ…
やべぇなぁ.これ.」
ドア閉まった…
「乗るしかねぇな.」
「ID下げてる?」
「おぅ.
まぁ,関係ねぇ奴は関係ねぇからな…」
はぁ…
そうやんな.
「まだ,入れてないやろ?」
「まだ…
青海波もやろ?」
「うん.延長申請出してる.」
「誰か狙われてるやつがいるんやな.
厄介なバス乗っちまって…」
「もう暗くなったもんな…」
ヒソヒソやった所で,
降りられんから,
様子を見るしかなかった.
「誰乗ってる?」
「後ろサラリーマン風と,
その前OLさん風と,
前寄りに茶髪の兄ちゃん2人,
前に赤ちゃん連れの奥さん.」
赤ちゃん連れの奥さん!?
何でこんな時間乗ってんのー!?
早目に用事済ませて,
日が暮れたら家帰ってないとっ.
誰がどうで何だ?
あまり単独行動のノラはいない.
どいつとどいつが,どこのチームだ?
とばっちりは喰らいたくないけど,
目の前で奪われるとこを見たくもない.
して,七宝は,
どこに入りたいんだ.
あまり派手に動いて,
入る前に問題児認定されたら
やりにくいやろうな.
もう,
意味わからん過ぎて,
そわそわしながら,
七宝を見た.
「落ち着け.
見た目に惑わされんな.」
「へ?」
「何か一番やべぇの奥さんな気がする.」
「うそーん.
そうなの?
次のバス停で降りる?」
「バス停で降ろしてくれるんかな.
ドア閉めたの絶妙だったし,
案外運転手もグルだったり…」
はぁ…
マジか.
部活出んで帰りゃ良かった.
七宝が煽るからだ…
ふざけんなムカつく.
しかも,
めちゃくちゃ技繰り出しやがるし.
「赤で停まったら,
緊急解除してドアこじ開ける?
助け呼んでみる?」
「いや…
もうおせぇわ.
始まるっ.
そっち,入れっ!」
吊り輪につかまって立っていた俺ら.
七宝が無理矢理座席に押し込んだ.
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