第2話

「いっその事,腹とかに入れるとか?」


「お前,それ決済の時とか困らん?

腹,見せるんか.

いちいち,腹見せてくんやろ.

しかも,あちこちで…

初対面の奴らに.


俺…絶対やだ.


しかも…

狙われた時,腹に風穴空くぞ.」


「やけんが,死に物狂いで戦わん?

まずもって,真っ先に手ぇ狙われるっしょ.

実はダミーでしたみたいな…」


「いや…

手ぇダメやったら,あちこち狙われん?

もう,手ぇ逝かれた時,結構やばい状況やし.

腹殺られた時,確実に逝っちゃわない?」


「やけんが…以下ループ…」


「いやいや…

以下ループやねーでしょ.

ばーかばーか.


して,もう,やめん?

この話.

面倒.」


「だって,大事な話でしょーが.」


「大事やけど,

飯食いながら話す話やねぇし.

もっと,ニコニコするような話したい.


ほら,あっちの子可愛いなぁとか.

ニコってすると…

手ぇ振ってくれるやん.

あぁ,オアシスー.


向こうも2人やし

ちょうどいい.

2人とも可愛いし超ラッキー.


どうするー?

席寄せちゃうー?

一緒する?っち聞いてくる?」


「それ頂戴.」



「えっ!?

いいっち言わんかったがっ!

それ,後で食べようと思ってたっちゃ!!!」


「知ってる.」


「何で知ってるんに喰うんだよ!」


「ちょっと何か…

黙って欲しかったっちいうか…

うるさかったけん.

俺が金払ったし,いいやん.

もう,ここは奢りでいいわ.」


「えぇ!?

なんちゅ事言って,

なんちゅ事すんだよっ!


お前,意味不だっ!」


「別に知らん女と

一緒したい訳やないんよ.

ごめん,

何か…

お前の方が可愛く見えるし…」


「ばーか.

うっせ,馬鹿か.

友人に欲情すんな.

終わってんぞ,マジで.」


「だって…」


「何だよ.」


「お前の事,一番

俺がよく分かってる.」


「はっ!?

お前に…

お前に何が分かんだよ!!!」


「ちょっと声…

声抑えろっちゃ.」


「御馳走様!

もう,これ片して,

俺,帰る.

金は返すけん.

…明日.

じゃあなっ!!!」


「おい!

おいって!

午後も講義あるって.」


ああああぁぁ…

そうやった.

講義出とかんといかんやったな.

あれ落とすとマジでヤバイっち,

言ってた気がする…

でも,ここで引けんくね?

席立ったしな…

どうすっかなー…


「…悪い.

悪かったけん.

取り敢えず,機嫌直して

椅子座って.」


ちろっと見ると,

七宝,マジで言ってるみたいやし,

こうやって謝ってくれてるし,

ここで折れて座った方がいいかもなー.

そもそも何で怒ってたんやっけ…

あぁ

可愛いっっち言ったんだ.

可愛いかー?

不細工に見えんだわっち言われるよりいいのか…

いいのか?


「はぁ…

何か上手くいかねーんだわ.」


「何がっ!?」


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