第5話 駆逐戦車マルズバーン
「東ゲートまで12キロ、弾道軌道で飛びます」
「了解」
背の
長砲身の150ミリ滑腔砲を装備。砲の反動が強いため砲塔はなく、砲身は車体の前面中央部より突き出ている。通常は
「クリス。コントロールを渡せ。トラクタの前に出る」
「了解、コントロールはパイロットへ移譲。ヘマしたらお仕置きしますよ」
「わかってる」
クリス嬢のご機嫌は斜めだ。彼女のお仕置きがどんなものなのか興味深いのだが、ここは真面目にやらなければいけない。
47ミリの射撃でトラクタの前方を射撃し牽制する。一旦着地した俺は
眼前にトラクタ。その向こうに
「俺は戦う気なんてねえよ。マルズバーンの後ろを見な」
トラクタの運転席に男が座っている。顔面はガスマスクで見えないが、親指で後方を指していた。
「よく聞け。あの車両には四人乗っている。自力じゃ動けねえしドアはロックしてある。マルズバーンの機銃はあの車両を狙っている。おっと、マルズバーンを破壊するなよ。中に子供を乗せているぞ」
「何がしたいんだ?」
「逃げたいだけだよ。しつこい奴らに追われててな。アケローンに入っても撒けなかった」
「だから何人も殺したのか?」
「待て待て。殺しは俺達じゃねえよ」
ノエルの情報と合致する。こいつらはマリネリスを襲ったテロリストだが、アケローンでの殺人には関与していない。
「6時間おとなしくしてろ。誰も追って来るんじゃねえぞ。マルズバーンをリモートで爆破するからな」
トラクタは俺を迂回しつつ走り始めた。
「6時間後にマルズバーンを投降させる。心配するな。お前らが追いかけてこなけりゃ誰も死なない」
いきなりやらかしちまった。これじゃあクリスにお仕置きされてしまう……。
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