ハコという、閉じた世界がいくつもあり、一つのハコにつき、一人のカミサマ。
カミサマシステムに守られた、美しくも、いびつな世界。
その中で描かれる、青というカミサマを主人公とした物語。
静かに重く、狂おしいほど悲しく、切なく、美しい物語。
私は、作中の白という名のカミサマの物語が、大好きです。
不思議な雰囲気で、淡い、恋物語にも似たはじまりから、徐々に徐々に引き込まれていくその先で、明かされていく真実。
ネタバレをしないように、レビューするというのは、本当に難しいですね。
是非、読んでほしい。
そして、私と同じように、この物語の観測者になってほしい。
同じく、稲穂さんの作品である「青のハコ」とリンクしてくという仕掛けも、とても興味深く、味わい深い演出です!