チョコレートのような
バブみ道日丿宮組
お題:茶色い、と彼は言った
チョコレートのような
「随分と……うーん、茶色いね? 普通はもっと黒っぽい気がするんだ」
「普通のチョコレートはそうかもしれないけど、色々混ぜるとこうなるんだよ」
「んー、そういうものかな? 料理ほとんどしないからわからんないんだよね」
「今度教えてあげるから、一緒につくろう」
「いいって、出来合いのもの買うから」
「それじゃ栄養が偏っちゃう」
「学生ってそういうものだよ。ジャンクフードなんてまさにそんな大カロリー」
「毎日それだとお金かかるよね?」
「ジャンクフードっていっても、それなりの値段は確かにするからね」
「自炊すれば、安くて栄養がきちんととれるわ」
「このチョコのお菓子みたいにか?」
「そうそう。美味しいでしょ?」
「まずくはないけど、チョコの違いがわからない」
「そうね。甘いっていう共通認識はあっても、目隠しされたらどのチョコを食べたかわからないね」
「目隠しされたら、大半の料理はわからないんじゃないか?」
「テレビでどちらが一級品なのかってやってるじゃない。だから、わかると思うわ」
「あぁいうのは半分やらせだと思ってるし、好きな味ってのはまた別だと思う」
「ジャンクフードみたいに?」
「そう。ジャンクフードはお手軽。カップラーメンみたいなもの。あれは安くてすむ」
「偏った食事はよくないわ。そうだ、毎日私の家に食べに来たらどうかな」
「えー、いいよ。自分の分用意されるのはなんか……申し訳ない感が強い」
「二人分も一人分もほとんど変わらないよ」
「そういうものなのかな」
「かんたんに作れる料理の素は、だいたい3から4人分で入ってるの。だから、二人分のが作るのがかんたんなの」
「ふーん。そうなんだ。じゃぁお願いしようかな。でも、その分のお金は払うよ」
「どうせなら家事全般やろうか?」
「いいよ。さすがにそれは頼りすぎ。これ以上馬鹿になって、彼女に負担をかけたくない」
「こういうときに限って彼氏面するあなたは本当にかわいいわ」
「かわいいって言われるのは好きじゃない」
「本当にかわいいんだもの。今の服装だって似合ってるわ」
「無理やり着せられたのが、女の子の服なんだけど」
「いいじゃない。仲いい姉妹だって、こないだ言われたわ」
「男としての威厳がなくなるから、そろそろ勘弁して欲しい」
「タンスの中いっぱいにあるのだから、終わりはないわ」
「はぁ……どうして付き合ってるんだろうか」
「愛よね」
「愛が重い」
チョコレートのような バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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