かつて地球はフロンティアだった。
アメリカが新大陸と呼ばれていた時。南極にも北極にも誰も到達していなかった時。山の頂も海の底も、そして宇宙の無明の闇も、そこは未知のヴェールに包まれていた。
そして。その未知に挑まんとする物語を、人々は冒険と呼んでいたのだ。
が、そんな話も今は昔。アメリカ大陸には人が溢れかえり、南極にも北極にも基地があり、山の頂にも海の底にも行ける乗り物が発明され、特別な能力を持たぬお金持ちが宇宙に行ける時代となってしまった。
この今の時代になっては、冒険という言葉自体がいかにも古めかしい。150年前の作家が描き、それを読んだ読者の繰り広げた冒険を味わうことは、今の時代にはもう無理なのかもしれない。
では。作り直そうじゃないか。世界ごと。
天文学者や技術者や猟師の代わりに、女騎士とゴスロリ少女と魔女と魔法使いと狼男を連れて。
今度は月ではなくて、青空の向こうに浮かぶ天空の城を目指して。
火薬やロケットではなく、魔法の力で撃ち出される宇宙船に乗り込むのだ!
という感じで。
レトロでフューチャー。サイエンスでありながらファンタジー。フィクションなドキュメンタリーです。
どこか懐かしい匂いのする、素晴らしき冒険が、ありますよ。