グルグル回る。

坂西警護

タイトルなし

 もし、ある日エロカワイイ、ビッチが一発ヤらせてくれたら?


「精力に必要なのはやっぱり亜鉛とリポビタンDなわけよ」


 そう、金もない、学もない、足も早くないチー牛には精力で勝負するしかない。


「お前さあ……それはエロ漫画の読みすぎじゃね」

 我が友はそう言って諭す。


「いやさ、結局さ、人間とは何で動くかによって決まるわけじゃん、結局は快楽なわけよ、欲を満たす快楽こそが、人を動かすわけじゃん」


 俺はとにかく熱弁を奮う。


「いやさ哲学や経済学の話じゃないわけ、女ってはさ……こう、性欲ではつられないのよ、わかる?」


 友の言葉に


「いやさ、ドーテー、彼女いない歴=年歴が女語るなよ、それに女の性欲は、必要とされたい欲なんだよね」


 俺は返す


「それはお前にも当てはまるぞ、童貞で彼女いないのは同じじゃん」


 オイオイオイ、俺には


「彼女いたぞ」


 友は目を丸くして。


「嘘だろ中学からのつきあいお前に、女の話なんて影も形もなかったぞ」


 ふふん、


「それがさぁ、いたんだよカノジョ、小学生のときそれとなくいい感じの子がさ、」


 だから、


「女は俺のがワカるわけよ」

 

 それゆえに、やはり男に必要なのは精力だ。


「でも、アソコで選ぶ女なんてビッチだろ」

 我が友はそう言って吐き捨てる。


「これだからユニコーンは、大方VTuberが男とコラボ配信したら、キレだすだろお前」


 やつはこの前、とある個人勢のVTuberが売れっ子の男VTuberとコラボしたときに、目をかけてやったのにと切れ散らかした、そもそも処女厨なのだ彼は。


「いやだって、遺伝子戦略的に他の雄個体との接触は嫌だろう」


 友の弁解に


「まあ、そういうのは所謂『普通』の感性なんだよね、俺は違う」


 と返すと


「ビッチ萌えか、わからんなぁ、ホントにわからんなぁ、とにかくアソコで選ぶ女なんてマジでやめとけ、で話かえるけど」


 とにかく、友は話題転換する。


「転校生来るって、まあ、関係ないか俺らぼっち組には」


 友はそう言とチャイムが鳴った。


「じゃあ席に着くわ」 


 俺はそう言って席に着く。


 転校生ね、確かに俺らみたいな冴えない以外何もない陰キャ集団が転校生なる三日天下とは何事もないだろう。


 ただ予測は外れた。


「今日からこのクラスの仲間?になる『三枝友華』です、よろ」


 薄い色素、染めた髪、ピアス。だが顔と名前は覚えてる、彼女は


「神に感謝」


 俺は小学生の時。イイ感じだった彼女との出会いに、


 そう呟いた。


 休み時間、早速アタックだ

「やあ。友華、久しぶり」


「だれ?」


 俺は怯まない、その心こそが成功の秘訣だ、と多分誰かが言った。


「小学生その時、」


 友華は今日見なさげに


「ああ、あの時の」


 友華が、そう言ったとき


「何してんのアンタ?」


 上級クラスメイト、『四十万ミカ』が俺を牽制、当然敗北した俺は


「いや、」


 と、尻尾を巻いて逃げたすことにした。

「なに、あの美少女と知り合い?」


 わが友が、そう話しかける


「小学生の時いい感じだった子」


 俺が答えると


「あんなに可愛いじゃな処女膜はないだろうな、ピアス着けてるし」


 どんな、偏見だ、


「うわ、キモ、コイツらとはつるまない方がいいよ」

 四十万が、軽蔑の目を向けた。


 どうやら、俺たちはまた、クラスランクが下がった。


 陰キャからキモキャに成ったかな、元からか。


「そうだね」


 友華の言葉に


「なにしてくれてんの?相変わらずお前はキモいなぁ、ホントにキモいなぁ」


 俺は呆れ果てる。


「いやだって、本心ではみんなそう思ってるって、みんな本当は俺みたいなヤツなんだって、とにかく俺はわるくねえんだったて!」


 その熱弁は馬耳東風だぞわが友がよ、


「はあ~、仮に皆が皆そう思っていても、現実的にはこう言うことは言わないのが約束だろう?社会不適合者か、お前は?」


 俺がそう返すと


「そうやって建前だらけの社会に物申す!それが俺だ」


 わが友はキメ顔でそう言った。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


 そんなこんなで一週間。


 いまだクラスの中心に友華はいた。

「怪しい」


 そう俺にいきなり話しかけてきたのは、

 『仮川美奈子』


 ローブを被るオカルト女、いつもタロット占いしている。気味のわるい前髪女だ。


 仮川はそう言うと。


「ありゃ魔女だ、あんなヘラヘラした女は、三日で飽きられるのにまだ飽きられてないのは、魔術を使っている」


 聞いてもないのに自説を展開してきた仮川に俺は


「そう」


 とりあえず無難に返事をしておく。


「着替えのとき、なんかに印があった、俺は『悪魔の印』だ」


「そう」


「とにかく、私は確信した、私は『魔女への鉄槌』を下さねばならぬ」


「そう」


「というわけで協力しろ」


 と仮川が、上から目線で言ってくる。


「『魔女狩り』の王、ジェームズ一世は俺ごときに勤まらんよなあ」


 俺は皮肉げに言うと


「イングランド王ジェームズ一世は改心したさ」


 仮川の言葉に俺は、そんなことどうでもよくなる。


「そう……」


 とにかく、俺はこんな陰キャ前髪女と剣と魔法の妄想ファンタジーランドに突っ込んで青春する気はないのでね。


 とにかく、俺は素っ気ない返事を繰り返して乗り切る!


「とにかくだ、あの女の『蠱物マレフィキア』見つけ出すぞ」


「『蠱物マレフィキア』?聞きなれないな?」

 あ、やべつい知識オタクの俺が出てしまった、俺は知らないことがあると気になるそういうのは男だ。


「『蠱物マレフィキア』というのは魔女が災厄を起こす原因あるいは源よ」


 仮川はそう言って、グイグイくる。


 おお、……特にいい匂いはしない。


 これが陰キャの陰キャたる所以だな。


「とにかく私は『異端審問官』の使命として『魔女』を刈り取らなければならない」


 声デカ、


 うわ、周りからの目が痛い。オカルト系と中二系が混じってるのか……とにかくさ、そういうのは自閉的なんだよ、自分の世界に閉じ籠っている……そう言うことだ。


「俺は友華とはまあ、いい関係だからお前に協力しないぞ」


 仮川は眉を曲げて、


「え、どこが?とにかくさ、頼むよ一人じゃ心細くてさ、とにかく話しかけられるのは君しかいないんだ!とにかく頼むよ、頼む!」


 仮川は早速ヘラヘラ顔で頼み込む


「いや、まあ、うん、とにかく俺は」


「頼むよ、頼む」


 しつこ!


 しゃーない、やるか。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


 「というのはどう?」


 我が友はそんなことを、いきなり語りかけてきた。


「いや仮川って誰?」


 俺の問に


「俺だけが美少女と知る清らかな乙女」


 と答える。


「えー」


 なに、その話?おもんな


「とにかくさ、お前だけあんなに色素薄い女の子と知り合いとかズルくね、俺にはナクルちゃんしかいないのに」


 ナクルちゃんとはいま流行りの、でもない底辺VTuber、チャンネル登録者数二桁のとでもない底辺で、コメントはコイツしかしてない。


「ナクルちゃんも可愛いからいいじゃん声は汚いしつまんないけどガワはそこそこ可愛い」


 俺の評価に


「そうやってナクルちゃんバカにしてるけどこの前チャンネル登録者数80越えたんだぞ」


 いや、だからバカにしてるんだって。

 ガッシャーン。


 うお、なんだなんだ!?


 なんか黒づくめの男?どもが現れた。


 窓とか破ってるて。


 そして、


 うお! 


 そのまま発泡!


 狙いは友華!


 俺は当然怯え震えて動けない。


 すると鮮血が


 飛び散らない。


 上の電灯が壊れる。


 ガラス降って危な!


 ヤバイって。


 そろそろ皆の本能が目覚め混乱……しない。


 皆が皆突っ立てるだけだ。


 そのまま特殊部隊風味の男?どもが天井に叩きつけられる。


 ………………………………。


 キーンコーンカーンコーン。


 ハッ!


 今のは夢?


 誰もが談笑している。


 天井に特殊部隊風味の男?と友華が『立って』いる。


「気がついたか?」


 わが友。ヤーコプ・シュプレユゲルは


「ハインリヒ・クラメール」 


 と言う。


「『三枝友華』は魔女か、あんま信じたくねーな『ベルゼブブ』の配下の一味か」


 この『学園修道院』は魔女狩りの専門機関。

 魔女は『魔女の印』を持つものを媒体に『蠱物マレフィキア』を生み出す。


 それは『生け贄』だ。


 そして、『学園修道院』は『魔女の印』を餌に『魔女』を誘い込み。殺す。そういう機関だ。

 そもそも、日本はドイツのと第二次大戦後、敗北した。


 その時、ソ連とアメリカの共同研究『ズヴィズター・ゲイト計画』の元から超心理学的観点から人間開発部門として秘密裏にレジスタンス的な研究を行った。


 その時、魔女狩りの記録に残らない不死身の魔女を見つけ出した。


 彼女は老衰のためかほぼ干からびたミイラであり脳波も微弱なものであった。


 炭素計測により、二千年前から、代謝なしで『生きており』それは文献学考古学遺伝学的研究からマグダラのマリアである判明した。


 そして、その子孫を特定のパターン行動を起こすと命と引き換えにエネルギー保存の法則に違反する超常現象を引き起こした。


 そして催眠術を使えるジャック・ラカンが…………。



「いや長い!」 


 俺は友に向かいそう言う。


「それらしい名前並べあげた怪設定はええねん!」

 俺がそう言うと


「えー、でも世界観設定の説明は必要でしょ」


 友達もちろんヤーコプ・シュプレユゲルではなく。添島隆と言う名前。


「でも魔女の話とか結構伏線でしょ」


 添島がさらに言う


「でなに、三枝友華はどうなるの?」


 一応聞いておく。


「そりゃもちろん僕に惚れる」


 添島の言に


「なんで」


「ある日突然エロカワイイ、ビッチが一発ヤられせてくれたら……」



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グルグル回る。 坂西警護 @tarantulata2

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