第4話 彼女

緩々ゆるゆると進展のない話を続けてきたが、ここから本題に入ることにする。


高校時代。

僕はそこで彼女に会った。

儚く、美しく、そして呪われた彼女に僕は出会った。


同じクラスになって初めて互いを認識して、それからしばらく経って、とある日の夕方。

放課後の教室には僕と彼女がいないという、年に一度あるかないかの偶然が重なった奇跡の日。

その日に僕は彼女に言われた。


「好きです」


細かい詳細は省かせてもらったが、僕は初めて異性から告白を受けた。

嬉しかった。実に嬉しかった。


好きと言われるということは、認められたということだ。


人とは違う僕が、人として認められたことが僕は嬉しくて仕方なかった。

僕は舞い上がった。二つ返事で好きを返した。

元々、初めて会った時から彼女のことが気になっていたことも後押ししていた。


めでたく彼氏彼女の仲になったわけであるが、彼女にとっての彼氏になった僕は、 僕にとっての彼女に彼氏としての初めての質問をした。


「僕のどこが気に入ったの?」


好きを返す前に聞けとツッコまれそうだか、僕は彼氏になった後にそれを聞いた。

その質問に対して彼女は、テレた顔をしながら、僕のことを褒め始めてくれた。

好きになった点を色々と褒め続けてくれた。

褒められ続けるのもアレなので、僕も彼女を褒めた。色々と褒めた。


互いに互いの好きを言い合った。


そして、ここからが重要なことなのだが。

一通り互いを褒め合いあった後のことだ。

最後の最後に彼女は、僕を好きになった理由の最後の理由を言った。

僕に告白しようと決めた理由だ。

彼女は言った。君への告白を決めたのは


「君が死体を見えないから」


瞬間、僕は別れ話を切り出した。

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