第28話 死にたい私と文化祭②
「ほんっとうにごめんなさい!」
「も、もう許してるから。そんなに謝らなくてもいいって」
クラスの演劇である『青い鳥』が終了して数分、戻ってきた
「ほら、顔を上げて。あたしそんな怒ってないし」
「でも、約束破っちゃって……。せっかくの
「席が空いてなくて見れなかったんでしょ? 仕方ないって。それに明日だってあるんだから」
「だけど、私が早めの時間に入ってたら防げたことだし」
「もしなんて挙げたらキリがないって。それに、周りの注目も集めちゃってるからもうやめて……」
顔を上げて周囲を確認する。私と目の合った人は次々と顔を逸らし、やっと状況を理解した。一瞬にして罪悪感が羞恥心に変換される。謝ることに必死で全然周りを見ていなかった。
もう恥ずかしすぎて死ねる。いや、いっそのこと死にたい。
「ほら、だから行くよ!」
「え? ちょっと⁉」
「はぁはぁはぁ、取り敢えずここで休憩しようか」
「いらっしゃいませ! 二名様ですか?」
「そうだけど、
「え? あ、はい。いますよ。少々お待ちください」
「なんだ、二人とも来てくれたのか」
「当然じゃん。文化祭を逃したら
「そんなことだろうと思ったよ。ほら、席はこっちだ」
「こっち……だ? それがお客様にする言葉なのぉ〜?」
「……コチラニナリマス」
「いしし」
「思ってたよりあるね。昼食も食べれるし、スイーツもある」
「あたしはカレー! 大盛りでお願い」
「わ、私も。普通のでお願いします」
「分かりました。それと
「ケチ」
「それにしても大盛りなんて食べれるの?」
「あたしたちは成長期なんだから! たっくさん食べないと」
えっへんと胸を張ってくる。低い身長で尚且つあまり膨らみを感じない胸を見ると……神は残酷と思えてきた。
それだけ食べている栄養分はどこに行ってるのだろうか。謎である。
「何その目……大盛りぐらい食べれるよ!」
「うん、そうだよね」
言えない……身長や胸を見てたなんて言えない。
「お待たせしました」
「あ、ありがとう」
「待ってました!」
丁度いいタイミングで
お昼時になったせいか店内の客は多かった。
「んー……レトルト感がすごい」
「そりゃあ文化祭だからレトルトだよ。万が一食中毒になったら困るし」
一口食べる。私も
美味しいけど、物足りなさを感じる。今日の夜は久々にカレー作ろうかな。
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