8,神様の声?!

 あれから、どのくらい時間が経ったのだろう。しばらくして、俺は目を覚ました。

あれは何だったんだろう。4次元ポケットには、何かあったらのために、ほとんどの

ものは抜いておいたはず。しかも、あんな石、入れた覚えもないし、見たことも

ない。

ズキッ ズキズキ・・・

「イてぇワァ・・・マア、ずっとキゼツしテタからナァ・・・」

そういえば、あれには、手書きメッセージが入ったリボンが巻いてあったな?

見てみようかなぁ。

「『碧斗あおとへ これがお母さんからの最後の挨拶かもしれないね。

永夢麗子がどんなことにあっても、あなたはすくすく成長してね。光星が何をしても

きっとだいじょうぶ・・・またね・・・』」

何だ?誰からだろう?麗子ってどこかで聞いたことがあるような・・・。

「アアッ!!イタイ!!アタマガ・・・」

そのまま、俺はもう1度意識を失った―—―


 ハッ!!また気絶してた・・・。ここはさっきと同じ場所ではなさそうだ。ここは

もしかして・・・。

「アア、ヤッパリココだったカ」

ザーッ ザバーン

小さなカニが砂の上を歩いている。ヤドカリは俺に気づいて石の間に逃げてゆく。

そう、ここは海辺の堤防だ。さっきの広場じゃない――

「ナンデダ・・・・・?」

だんだん声がカタカナなまりになってゆくのは気のせいか?

「アいタッ!!」

また頭痛が・・・。

「ハァァァァァァァ」

ん?これは俺の声じゃねぇぞ?

「お前が・・・ただ1人生き残った人間・・・なのだな・・・?」

「誰ですか?」

神様ですか?仏様ですか?キリスト様ですか?アッラー様ですか?俺そんなの

分かりませんし、ドッキリなんて聞いてないですよ?カメラもないんですよ?

「そのうち・・・会うことが・・・できるだろう・・・生き残りよ」

「は、はぁ・・・」

「またな・・・」

そう言い残して、声は消えた。

いやいや、誰だよ?!ドッキリカメラでは無さそうだ。生き残りっていうのは何?

ただ1人生き残ったって言ってたな。

「・・・・・・・・・」

考え中。

「・・・・・・・・・・・・・・?!?!」

まさか?!1人だけ生き残ったって俺のこと?!それ以外はみんな・・・?!

「スッ・・・グスッ・・・チッ・・・アァ・・・」

そういうことだったのか・・・?嘘だよな・・・?みんなみんな生きてるよな?


 途方に暮れマシタ・・・。もう、いきなりそんな神様の声が聞こえて、一瞬混乱は

したけど、心の中では「俺ジャンヌ・ダルク?!」と思って興奮したけど、そしたら

人類は俺を除いてみんな滅亡したみたいな衝撃な事実を聞かされて、そんなわけ

ないだろと思う馬鹿馬鹿しいことなのに涙をがれきに落としてそんなので・・・。

「はァ~ツカレた」

しばらくして泣き止んだけど、でも正直絶望通り越して大混乱です。そしてそして、

俺はここがどこかが分からない。本当に分からない。神様に飛ばされたのかな?

あの石も気になるし・・・。メッセージを書いた「麗子」っていう人も気になるし。

自分がだんだんカタカナなまりになってるのも分かんねぇし。

ゾクッ

ん?え?

ドクドクドクドク

心臓の鼓動がだんだん激しくなってるんですけど~。

そう、俺は気づいた。今、ということを。

それって、普通は嬉しいことのはずなのに。だって、人が他にもいるってこと

でしょ?でも・・・何か冷たい感じがする。

ここには、どこにも隠れ場所がない。どうすればいいんだ?!考えているうちに、

足音が聞こえてきた。

「ザッザッザッ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!」

見つかってしまう―—―

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