4,兵器としてのAI

 先程、戦争の話をしたが、次はAIの話をしてみよう。なぜAIの話をするのか。

そりゃね、すごい進んでいたもん。21世紀ぐらいからAIが発達してきて、

こうなるまではものすごかった。戦争にも使用されて、戦績の表彰がそのAIを

開発した技術者に送られたくらいだ。

今この状況になる前―—―俺が永眠カプセルに入る前のAIはすごかった。戦争で

怪我人がどんどん運ばれてくる。それをたくさんのAIが単独で手術してしばらく療養

したものは、戦場へ戻っていく。

兵器を作るのは、AI担と人間担の工場が両方あった。AIはだいたい部品担当。

そして、人間はそれを組み立て、テストをして・・・。


 日本の兵器開発が進んでいたのはAIの発達もあった。中国は、規制が強くなって

AIの開発は国で開発するということになったのだが、これまでそんなAI開発を国が

行うことはなかったので、だいぶ苦労した。アメリカはというと、アメリカはむしろ

企業にAIの開発をどんどん推奨した。だが、当時の大統領はミスをしたようだ。

ただただ兵器の開発に力を入れていたもんだから、新型兵器だけに、金を分ける

わけだから、それ以外の分野には金が回らない。AIを含めてだ。だからAIの開発は

遅れた。兵器もそれほどの開発は進まなかった。それならイギリスやフランス、

ドイツはどうだ。フランス、ドイツは戦場となり、その対策と軍の指揮に追われた

のでAIどころではない。イギリスは、AIの開発に熱心だった。でも、開発途中に

爆発事件が起こった。そのせいで、国はAIの開発に反対してしまった。日本では、

目立ったハプニングは起きず、当時の総理大臣にまで上り詰めた有名な科学者、

飯岡大臣いいおかおおおみ」が積極的なAIに関する政策を積極的に出した。

そのおかげで日本のAIが進んだ。


 そのうち、人間はAIに様々な仕事を任せるようになってきた。21世紀にあった

タクシー運転手や自動車工場、コンビニの夜間労働員などがAIに。それだけで

なく、家事をするAIロボット、字を書くロボット、買い物に行くロボット、掃除を

するロボット・・・・・・・普通に人間がやってもいいようなものをAIが行って

いた。永眠カプセルも、AIが開発したものだ。


 一度、AIは人類に牙をむいた。俺がすでに生まれているころだ。何でAIが人類に

刃を向けたのかは分からない。確かなのは、それが第一次、二次世界大戦よりも、

第三次、四次世界大戦よりも。これまであったどんな戦争よりも激しく、死傷者が

多かったことだ。AIはその“人間が作った”頭で人間を追い詰めていった。戦いでは、人間が一生懸命必死に兵器開発をするのに対し、AIは優れた頭脳で早く、優秀な

兵器を開発。その兵器をうまく使い、人間は絶対思いつかないような作戦をたて、

人類を滅亡寸前に追いつめていた。人間はAIを世界平和に使うつもりだと

言っていたが、その世界平和の邪魔になるのが人間だとAIは判断したのだろうか?


 ん?AIが人類を滅亡寸前に追いつめた・・・つまり、俺が永眠カプセルにいる間

にAIが人類を滅ぼしたのだろうか・・・?もしそうだとしたら大事だ。永眠

カプセルに入っていたのは俺一人か?さすがにそんなはずはないからあと何人か

眠ってるやつがいるかも知れん。永眠カプセルが集まっているところがあるから、

そこに行けば仲間に会えるかも・・・。俺はそう考え、「永眠の広場」に駆けて行った。

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