2,化石燃料は止まらなかった

 石油ストーブがまだ使われているのは、化石燃料が止まらなかったからだ。

COPとかSDGsとかパリ協定とか、色んな会議や政策があった。ドイツには、

「緑の党」っていうのがあったらしい。

当時の人間は本気で温暖化を止めようとしていたのだろうか・・・。

答えはNOだ。もちろん、ちゃんと取り組む人もいたが、それは全体の5%に

過ぎない。みんなカッコつけてぇのか、

「俺エコバッグ持ってる」とか、「これ私のマイボトル」とか言ってたらしいよ。

でも、化石燃料は止まらなかった。2020年くらいを境に、原油価格は上がり

始めた。産油国から石油が少なくなったのだ。

先進国は石油の増産を求めた。


 ―—―そうだ、やっぱりそれほど化石燃料は大事だったのだ。

産油国はもちろんそんなの出せない。でも、ずっと石油石油というのだから、渋々

了承した。とある国は、石油を出すために300個も大地を掘り返したという。

ほとんど、なんも出てこない。いくつかは出るところもあったようだが、それも

すぐに涸れていった。

「俺は・・・・・」

何を考えていたのだろう。ついついそんなことを言ってしまう。地球は自分を殺ろう

と思っている人類に牙をむいた。その主犯の1人が俺だ。


 しばらく歩いていた。何時になった?時計台もすでにないから分からない。

電気自動車の残骸がそこらに転がっていた。自動車はエコカーになったが・・・。

問題は「電気」よ。

電気を作るために様々な再生可能エネルギーが試された。が・・・これまで人類は

病原体と戦った。そのうち、コロナウイルスとの戦いはかなりの金が必要だった

らしい。余計にカネをばらまいたりもしたのだから。それは誰がしたかまでは覚えて

いない。

ひとまず、そのせいでお金のかかる再生可能エネルギーに関する計画は次々と断念

させられていった。


 まあ、それからしばらく、コロナウイルスの猛攻は止まったけど・・・。

実はコロナウイルスが人間との戦いで善戦している陰でインフルエンザウイルスが

進化を遂げていた。コロナウイルスからのバトンを受け取ったインフルエンザ

ウイルスは、善戦。そのおかげで、再生可能エネルギーどころではなくなりこれまで

通り、火力発電が続けられていた・・・。

俺の場合、意外と頑張ってたんだよ。ecoを。でも、やっぱし、1人だけでは食い

止められなかったらしい・・・。俺は色んな意味で絶望感を抱いた。

俺たち、人類に―――。もちろん、自分を含めて。ガッカリだ。どーしよ。

今更どうのこうの言ったって駄目だけど。


 ああ、いつの間にかだるさ満開でいた。

「あぁ・・・」

く・・・。くくくく・・・。

「っしゃぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!」

何を喜んでいるのやら。でも、気合入れないと。多分誰かがいる。永眠カプセルに

いるやつは全世界で言うとたくさんいるんじゃないか?そんな奴と力を合わせて

人類を再興させなきゃ。白紙から。どうにか希望をつなごう。そして、この悪夢を

人類、動物、植物、そして地球に二度と見させないためにも。

「い・・・っくぜぇぇぇ」

自らを奮い立たせる。まあ、でももう少し読者の諸君に聞かせてあげよう。こうなる

までの地球、そして人類の歩みを。

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