年齢に関する侮辱
【原文】
「おじさん、あたしの何倍も生きてるのによっわぁ~い♡」
【清書】
「予を若馬に例えるとするなら、貴君は老いたろばに例えられる」
【解説】
若馬は「未だ調教・成長の余地がある」という点でメスガキ的である。対する老いたろばは「老いて駄役(荷物を載せて運ぶこと)に耐えられなくなり食用に供されるばかりである」という罵倒であり、そもそもろば自体がヨーロッパでは「愚者」の比喩である。また同時にろばは(馬に比べて)頑固とされる。
よって全体の文意は「私は成長の余地ある若者だが、貴方は生来頑固かつ愚鈍であり、老いさらばえた今は最早食肉としての価値しかない(当然人肉食は禁忌であるので、つまりは何の価値も無い)」となる。短文中に強烈な侮辱が含まれたメスガキ君主ことばである。
但し、ろばは聖書に下記のように登場するため、それを用いた反論も可能である事に注意したい。
[ゼカリヤ書9-9]
(前略)見よ、あなたの王が来る。彼は神に従い、勝利を与えられた者
高ぶる事はなく、ろばに乗って来る
雌ろばの子であるろばに乗って。
[ルカによる福音書19-35]
そして、子ろばをイエスのところに引いて来て、その上に自分の服をかけ、イエスをお乗せした。 (*エルサレム入城の一幕である)
用例はこのようになるか。
【原文】
「年の功ナメるなよメスガキ、
【清書】
「なるほど予の長年の信仰とその篤さを鑑みるに、予はゼカリヤやルカに記された通り、天上の王の隣におわすお方の乗騎に例えられるのが正しい。であれば地上の王の乗騎たる馬に過ぎぬ貴君は、予の元にひれ伏すのが道理である」
解説は省略。このように、適切に聖書教育を受けた成人男性はメスガキに口論で勝利し得る可能性がある。無論、聖書でメスガキを殴る事は如何なる預言者も救世主も意図していないであろう事は、強く心に留めておくべきである。
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