第11話 かねふくの明太子を通販でめちゃくちゃ買う

 三度の飯はもとより、三度の飯の友としても明太子を愛してやまないおれだが、ある日、新聞の折込広告に「かねふくの明太子」のチラシが入っているのにたまたま気づいた。新聞は家族が取っているが、おれは新聞はもとよりチラシも自分から読むことはほとんどないので、本当に運命的なたまたま感だったと言ってよい。


 明太子でやっているかねふくなので、チラシには当然のごとく明太子関連商品しか掲載されておらず、俺にとってはほぼ明太子ポルノと言っても過言ではない感じで、朝から刺激の強いものを見ちゃったな〜と思いながら斜め読む。


 大見出しに「自家消費人気ナンバーワン!ご家庭用辛子明太子400g1835円税込」とあり、熟成ダレに使った切れ子の明太子がギュウギュウに詰まっている。パッケージ左上のキャラクター(タラピヨ)もかわいい。ちなみに自宅にはぬいぐるみが全種類ある。


 かねふくの明太子は他の明太子よりも粒のひとつひとつがなめらかで、しっかりと熟成タレが馴染んでいておいしい。この熟成ダレが重要で、小分けのパックでかけるタイプと、この冷凍商品のように予め漬け込んであるタイプの2つがあり、個人的には後者の方が好きなのだが、前者もさっぱりとして上品な後味である。


 全体的に立体感のあるテイストで、辛いことは辛いのだが、旨味とのバランスがかなり絶妙になっており、ついつい後を引いてしまう。こってり感はそれほど強くないので、朝ごはんでも夕ごはんでも合う。自分はこのパックを4つ買い、1〜2ヶ月かけてじっくり食べるというのをよくやる。


 自分が辛子明太子にハマったきっかけとしては、若かりし頃の「明太子おにぎり」「明太子スパゲティ」との出会いが大きい。


 それまで「たらこ」自体あまり好きではなかったのだが、明太子おにぎりはお袋が部活の弁当によく持たせてくれ、これが適度な塩気と辛味で良いスタミナの供給源になった。明太子スパゲティはとある喫茶店で食べたのだが、これもミートソースやナポリタンと違いアグレッシブな辛さと旨味で、辛子明太子ってすげぇうまいな!と感動したのを覚えている。


 以来、辛子明太子とは結構な頻度でよろしくやっていたのだが、ある時にデパ地下でやっていた催事に「かねふくの明太子」があり、そこで買って食べた熟成ダレの明太子に衝撃を受け、今に至っている。


 「かねふくの明太子」自体の注文はウェブサイトからでも可能なのだが、チラシにあるようなご家庭用辛子明太子など一部の商品は「めんたいパーク」の直売所へ電話しないと注文できないようになっている。おそらくだが店頭に置いてあるものを通販にも融通している形なのだろう。


 電話をかけ、商品番号と個数、届け先の住所氏名電話番号と希望日時などを伝えると、代引きで発送されるので、適宜現金を支払って受け取るようになっている。一度注文すれば次回からは電話番号の照会だけで住所と氏名をリマインドできるので、ウェブサイトでポチポチやるよりも速いという利便性の良さがある。


 ・・・などと思っていたのだが、めんたいパーク伊豆のサイトでついに「オンライン直売店」ができ、チラシにあるものをネット経由で、しかもクレジットカード決済までできるようになった。今のところ伊豆のみのサービスのようだが、いずれは全国のめんたいパークで対応していくのだろうか(だと嬉しい)。おれは贔屓にしている直売店が別のめんたいパークなので今回は見送るが、もし対応したらおれも近場のめんたいパークでウェブ注文してみようと思う。


 祖母はあまり辛いものが好きではないので、今度注文するときは「たらこ」も注文する予定だ。こちらもご家庭用の切れ子がお得価格になっているので、三度の飯はもとより、三度の飯の友としてもスケトウダラの卵の加工品を愛してやまない諸兄においては、ぜひ購入してみることをおすすめする。

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