2.連休はみんなで、なにをする?






 秋の大型連休こと、俗に言うシルバーウィーク。

 その休みをどのようにして過ごすか、ボクとエヴィ、そして知紘の三人で話し合いの場がもたれた。といっても、単純に帰り道に駄弁っているだけだが。

 王道としては、どこかに旅行すること、だろう。

 しかし、学生だけで四日間の休みを効率的に過ごせるか疑問だった。



「だとしたら、遠出はせずに近場で遊べる方が良いよね?」

「でも、この時期だと地域の遊び場は青葉高生でいっぱいになるだろ」

「あー……そっか。それだと、えっちゃんが思う存分遊べないね」

「ごめんね、私のせいで……」

「いや、いいよ。気にしなくても大丈夫」



 そうなると、なかなかに難航する。

 今年のゴールデンウィーク。ボクは実家に帰らず、アパートに引きこもってラノベやゲームに明け暮れていた。個人的にはそれで有意義なのだが、あくまで個人的だ。

 女子二人が、果たしてどのようなプランを思い描いているか。

 それを聞きだした方が、話はまとまりそうだった。なので――。



「エヴィは、何かしたいことがある?」

「私? 私は……うーん……」



 ひとまず、今回の主役でもあるだろう彼女に訊ねるのだった。

 するとエヴィはしばし考え込み、少しだけ恥ずかしそうにこう言うのだ。



「私、ね? ……友達とお泊り会するの、夢だったの」――と。



 それを聞いて、ボクと知紘は顔を見合わせた。

 そして、一斉にこう声を上げる。



「「それだ! それでいこう!」」



 こちらが声を揃えたことに、エヴィは目を丸くしていた。

 そんな彼女に、ボクは思いついた案を説明する。



「ここからは相談なんだけど。エヴィの家でお泊り会、ってのはどうかな?」

「ふえぇ!? わ、私の家に!?」

「もちろん無理にとは言わない。ご両親の許可もいるだろうし、エヴィが嫌なら断っても良い」

「ううん! 嫌じゃないよ? ちょっと、ママに訊いてみるね……?」



 そんなこんなで、オリビアさんにエヴィが電話すること数分。

 スマホを仕舞った彼女は、こちらを見て一つ頷く。そして、




「だ、大丈夫だって……!」




 少しだけ気恥ずかしそうに、そう答えるのだった。

 こうして、連休の予定が決定する。



 友人三人でのお泊り会。

 子供じみた響きのそれだが、不思議と心が躍るのだった。









 

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