第7話 パーティー レリア視点
「……………………」
「……………………」
午後2時。敷地内にある広いお庭を利用した、特設の立食パーティー会場。その中心でわたくしとお父様は、呆然となっていた。
どうして……? どうして――
「誰も、来ないんですの……⁉」
とっくに開始時刻となっているのに、居るのはわたくし達と使用人だけ。50人以上招待したはずなのに、その人達は誰も顔を出していないんですの……。
「そ、そんな……。バカな……。返信がないのは……。返事が間に合わなかっただけ、ではなかったのか……?」
今日まで1通も回答がなく、それは『急な招待だったから』だと思っていた。当日は全員が花束を持ってやって来て、賑わうことになると思っていた。
でも……。それは、間違いだった……。
「! もしや! 何かしらの都合で遅れている!? あるいは、開始時刻を間違えてしまっていたのか!?」
そうかもしれない――。そう思って更に2時間待ってみても、何も変わらない……。来たのは、用意した食べ物に近づくハエだけだった……。
「ど、どうなっているのだ……? 心配し気を遣っていたレリアが、その人が、招待状を送ってきているんだぞ……!? なぜ応えない……!?」
「見当が、つきませんわ……。…………お父様っ! わたくし、直接話を聞いてきますわっっ!!」
フェレイスタ伯爵家の、ロール様――最も近くにいらっしゃる、招待状を送った人。ロール様に会って、原因を突き止めることにした。
「お父さんは主催者代行として、念のためここに残っているっ。ザークっっ、至急馬車を用意してくれ!」
そうしてわたくしは大急ぎで車に乗り込み、フェレイスタ邸を目指す。
アポイントメントなしはマナー違反ですけど、今はそこを気にしている時ではありませんものっ。精一杯馬車を走らせ目的地にたどり着き、わたくしは応接室へと通されて――
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