第4話 レリア・エーズテルド~決行と予想外~ レリア視点(3)
「た、逮捕……。な、ぜ……? なぜ、なの……?」
「我々公安局は以前よりルナレーズ商会に不信感を抱き、動きを注視してきました。その結果、数多くの違法行為が発覚したのですよ」
粉飾。偽装。偽造。更には、脅迫などなど。いくつもの罪を、事細かに伝えられた……。
「ばっ、バカを言え!! 俺達はそんな真似はしていない!! 何かの間違いだっ!! なっ、なあ父上母上!! この男達はっ、何かを勘違いしていて――ぐあっ!? なっ、何をするっっ!? 離せっ!! はなせぇぇ!!」
「我々は性質上確証を得た上で動きますし、なにより、そうあるが故にこの状が発行されています。ですので何かの間違いではなく、この手を離すことはできないのですよ」
怒鳴り声を上げていたレイモン様、大急ぎで駆け付けてきたお義父様とお義母様も……。大男によって拘束され、手錠が嵌められてしまった……。
「た、たい、ほ……。れ、レイモン様達は、ど、どうなり、ますの……」
「現当主兼現会頭ランド、当主夫人メニア、次期当主兼現副会頭レイモン。更には叔父にあたるニコルとマイケル、叔母のメリッサ。以上の関係者6名はこれより収監され、鉱山での一生涯の強制労働が課せられるでしょうね」
レイモン様や、お義父様達だけじゃない……。エーズテルド家の中心人物が全員、罪人になる……。
「そ、そんな……。そんなにも居なくなってしまったら……。エーズテルド家は、どうなりますの……?」
「どうすることもできない、立て直しを試みることさえできないでしょうね。エーズテルド侯爵家は、まもなく断絶してしまうのですから」
「消滅!? どっ、どうしてそこまでの厳しいものとなるんですの!? これまでもそういった不正はっ、他所でもあったでしょうにっ!」
「ルナレーズ商会は他国貴族とも数多くの取引があり、お歴々の溜飲を下げるためでございます。周辺国との余計なトラブルを避けるには、厳しい沙汰が必要なのですよ」
ルナレーズ商会の経営陣は――レイモン様達は『絶対に見つかるはずがない』と高をくくり、かなりのことを――陛下が動かれるほどのことを、行っていたらしくって……。裁判などはまだだけれど、決まったも同然だそう……。
「ご夫人は一切経営に関わってはおられず、その心中お察ししま――」
「お察しされても何のプラスにもなりませんわ!! どう、すれば……! わたくしは、これからどうすればいいんですの……!?」
無意識的に頭を抱え、その場に座り込んでしまう。
目の前が真っ暗になって……。頭の中がぐるぐる回転している……。
どうしたらいいの。どうしたらいいの? どうしたらいいの! どうしたらいいの!?
おもわず心の中で叫んでいたら、ぁぁ……。その人は、わたくしに2つの選択肢を提示して……。
そうして、わたくしは――
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