第4話 レリア・エーズテルド~決行と予想外~ レリア視点(1)

「以前ご相談していた、あのお話についてなのですが――。1週間後は、構わないでしょうか?」


 嫉妬女と絶縁をして、3か月半後。わたくしは高価なイヤリングやネックレスを身につけていて、大きなシャンデリアの下で――豪華絢爛な空間で、隣にいる美しい男性のお顔を見つめていました。

 どうしてわたくしがこのような状態になっているのかというと、半月前にレイモン様と結婚したから。わたくしは侯爵家の人間となったため絢爛なエーズテルド邸で暮らしていて、レイモン様に愛されているから――うふふ。こうして、何百万もする貴金属で身を固めていますの。


「あの話……。ああ。人の幸せを妬む、元幼馴染の話だな」

「ええ、そうですの。そろそろ見せつけてあげようと思いまして、空いているその日をいただきたいのですけれど……。お許し願えますでしょうか?」

「もちろんだとも。お前は俺の妻、最愛の女だ。愛する者の願いは、極力叶えてやりたくなるものだからな」


 レイモン様は力強くわたくしを引っ張っていってくださり、誰よりも愛してくださる方。なので即座に頷きを返してくださり、こうして予定が決まりました。


「確か俺の疑惑がなんたらで、このままだと不幸になると言っていたな? だったらソイツに現実を思い知らせ、更に悔しがらせてやろうじゃないか。レリア、明日は――明日は暇がない、明後日だな。ここに宝石商を呼び、最高級のものを一つ買ってやろうじゃないか」


 そうしてなんと400万もするダイヤモンドのリングをいただき、それから5日後。わたくしは100万のイヤリング、200万のネックレスに加え、そんな宝物を身につけた上で、祖国へと出発することになりましたの。


「レリア、ソイツを見せつけてやれ。悔しさで狂わせてやれ」

「はい。その際のベルティーユのリアクションは、帰国後事細かに説明をさせていただきますわ」


 レイモン様は、あの大きくて有名な商会の重要人物。多忙な方ですから、向かうのはわたくしだけ。そこでそういった約束をして、キスを交わして馬車に乗り――


「ん? なんだ?」

「あら? なにかしら……?」


 ――馬車に乗り込もうとしていたら、門の前で大きな馬車が2台停まりましたわ。

 確かお義父様にもお義母様にも、レイモン様にも、来客の予定は一つも入っていなかったはず。なんなのかしら……?

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