第33話 七善徳と七大罪


「「イヴ様どうか私たちの主人になってください!!」」


「………はい?」


休日、家でゴロゴロしていたらいきなり湧いて出てきた頭に輪っかを乗せ、翼が生えた神々しい七人のイケメン達と対照的な頭にツノが生えたヴィジュアル系のイケメン達、全員含めて14人に詰め寄られる私。


「………つまり、あんたら天使の主人たる機械仕掛けの神デウスエクスマキナとやらの眷属が私の遠い遠い先祖で、あんたら悪魔の長である魔女王エヴァ・ウルトスと戦って激闘の末、相打ち、その時なぜか二人の魂が混ざり合ってしまい、その魂を持って生まれたのが私ってこと?」


「「「「はい!!!」」」」


14人に異口同音で喋られるのはなかなか迫力あるな。


「それで、私にどうしろと?」


「我ら七善徳の主となり、迷える私たちを導きください!!」


「我ら七大罪の王となり、支配していただきたい!!」


初めて返答が七人ずつに分かれる。


「……おやおや、主を横取りしようとするとは………穢らわしい悪魔のやり口そのものですね……」


「はん!!、お褒めにあずかり光栄だ、ならここは良い子ちゃんなお前らが譲るんだろうな?」


「つけあがるなよ、悪魔風情が」


「そっちこそ天使如きが調子に乗るな!!」


意見が分かれるのと同時に喧嘩をし始める両陣営。


「ーーーー喧嘩するな!!!!」


「「す、すいません……」」


喧しすぎるので大声で喧嘩を止める、天使と悪魔が同時に謝る。


「「こうなればイヴ様!!、貴女が決めてください!!!」」


「へ?、わ、私が決めるの?」


「「はい!!、イヴ様の決定なら異論はありません!!!」」


「……て言ってもなぁ、私、貴方達とは初対面だし、選びようがないんだが」


「「そ、そこをなんとか!!」」


「うぅ~ん………あ、そうだ、良いこと思いついた、それじゃあ君達どっちが私の部下にふさわしいか審査しよう」


「「………というと?」」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「ああ~やっべこれ癒される~」


「そ、そのイヴ様、これは一体……」


「私の部下たるものモフモフでストレスを発散させないといけないからね」


「な、なるほど!!!」


私は天使の翼をモフモフする、なんだろう、亜人の翼を触ったことがあるが、これはどれとも違う……なんだか雲を撫でているような、そんな錯覚に陥る気持ちよさだ……。


「さて、それじゃあ次は悪魔達の方………って、君達あんまりモフモフしてないね………」


「「え??!!!」」


「こりゃ天使達の勝ちーーー」


「ま、待ってください!!これならどうですか!!!」


「わっぷ??!!」


悪魔達の触り心地を試そうとするも、全員あまり柔らかそうな毛が生えてない、私が天使達に傾きそうになった瞬間、ボフンと煙に包まれる悪魔達。


「ケホケホ、ちょっと、なんのつも……り」


「「「これならどうですかイヴ様!!」」」


七人の悪魔達はそれぞれ、ペンギン、鼬、柴犬、熊、狐、虎、兎の七体の動物へと姿を変えていた。


「え、え、そ、どういう事?」


「「私達はそれぞれ罪の象徴となっている動物へと変身できるのです!!」」


「と、とりあえずペンギンを触っていい?」


「ご指名感謝いたします!!私の名前は傲慢の罪、ルシファーレオイドです!!どうぞお見知り置きを!!」


「か、可愛い……じゃ、じゃあルーシーって呼ぶわ………ああ、抱き合った時の満足感……」


テトテト歩いてくるペンギンを抱き抱える私、感触も良いが、この可愛いペンギンをいつでも抱き抱えられる生活には憧れる。


「おい、ルシファーだけずるいぞ、こっちにも譲れ!!」


「イヴ様が俺を選んだんだ!!少し待っていろ」


「おおおおおお!!!!」


ペンギンを抱えていると私の背中に引っ付くのは柴犬、モフモフ可愛いのサンドイッチに思わず吠える私。


「傲慢の私の番が終わるまで我慢しろ!!」


「嫌だね!!!、嫉妬の俺様がそんな我慢できるわけないだろ!!」


「やばいこれやばい」


可愛い動物たちが自分を挟んで言い争ってるのを見て悶え死にそうなのを必死に堪える私。





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