第14話 神話とゲーム

 支部長との話を終えた後、俺はギルドを出て、猫のより宿に戻ってきた。


 自分の部屋で、シャワーを浴び着替えた後、これからのことを考える。


 なぜこの世界に来たのかすらわかっていない状況だが、その事については現状調べようがない。原因を探すのは、とりあえず後回しにするしかないだろう。


 元の世界に帰りたいとは思うが、急いで帰る必要もないしな。そもそも、帰り方もわからないし。


 まあ、その辺のことは、この世界のことを知っていけば、手がかりくらいは見つかるだろう。


 何にしろしばらくは、この世界で暮らすことになる。せっかく異世界に来たんだし、この世界を満喫して、見聞を広げていくか。それが、この世界を知る一番の近道だろうから。


 その後は、装備の点検やアイテムの整理をして時間を過ごした。



 ***



 翌日。


 今日は、図書館に行こうと思っている。


 この世界のことについて、最低限の知識は持っておきたいからな。


 朝食を食べた後、俺は宿を出て図書館に向かった。



 ***



 図書館があるのはこの辺だと思うんだけど・・・。


 あれか。結構大きいな。


 俺は、建物の中に入って行った。


 図書館は誰でも無料で使える様になっている為、利用者が多くいた。かなり大きな図書館のようで、膨大な数の本が蔵書されている。


 図書館って感じの内装だ。この中から目的の本を探すのは、大変そうだ。


 今回探している本は、この世界の地理についての本と、歴史についての本だ。


 地理、歴史関係の本は・・・。あの辺か。


 しっかりと本が分類されて置かれていた為、思っていたよりも簡単に見つけることができた。


 おお・・・。地理、歴史の本だけでこんなにあるのか。


 流石に全部は読み切れない為、何冊かピックアップして読むことにした。


 少し悩んだ末、地理関係と歴史関係から一冊ずつ本を選び、図書館に設置されている閲覧席に座り本を読み始める。



 ***



 ふぅ。読み終わった。


 本を読んで様々なことを知ったが、中でも興味を惹かれたのが神話に関する記述だ。


 それによると、どうも「The AnotherWorld」と、この世界には何か関係があるようだ。


 俺がこの世界に来たのも何か理由があるのだろうか?ますます疑問が深まった。


 そんなことを考えながら図書館を後にする。



 ***



 図書館を出た後、街の店で昼食を済ませた。


 まだ正午か。


 時間があるし依頼を受けるか。


 そう思いギルドに向かった。


 ギルドは昼時の為か、昨日来た時よりも空いていた。


 街の中で受けられる依頼があれば良いけど・・・。


 この時間から街の外に行く依頼を受けると、日が暮れるまでに帰って来られるか分からない為、街中で受けられる依頼を探す。


 うーん。街中で受けられる依頼となると、清掃依頼が多いな。他の依頼となると・・・。


 これは・・・。剣の稽古相手の募集?こんな依頼もあるんだな。よし、この依頼にしてみるか。


 俺は、依頼受注の手続きを済ませ、依頼書に書かれた場所まで移動する。

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