第11話 竜気
「スキル・探知」
予想よりも魔物が多い。これだと、いつ魔物が溢れ出してもおかしくないな。
探知の反応が大きい方に進んで行くと、魔物の群れを見つけた。見つけたのは、狼系の魔物の群れで、レベルの高い個体もいるかなり大きな群れだ。
これだけいると、魔術で倒した方が早そうだが、今回は魔術じゃなくて「竜気」を使ってみる事にする。
効果は解析してあるけど、まだ一度も使ったことがないから、早めに確認しておきたいんだよな。
ちなみに「竜気」の性質を簡単に説明すると物理的な影響力を持つ力だ。
例えば、魔力や闘気、仙力も高密度に力を圧縮させることで、物理的な影響力を持たせることはできるが、圧縮せずに放出すれば、威圧程度の効果しかない。だが、竜気は元から高密度のエネルギーのため、圧縮する必要もなく、ただ放出するだけで物理的な影響を持つ。
ただ、これは表面的な性質で、竜気の本質は別のところにある。それは、物理的な影響力を持ってしまうほど高密度なエネルギーであるということだ。
竜は、圧倒的な膂力を持っているが、それは「竜気」で身体強化をしているためだ。他にも竜が魔術を使う際には、魔力に「竜気」を混ぜて使っているため、竜の魔術は威力が桁違いに優れている。
ここまでの効果を出せるのは、「竜気」が高密度のエネルギーだからだ。
説明はこの辺にして、早速「竜気」を使ってみるか。
闘気を使って身体能力を強化する時と同じ感覚で、竜気を使って身体能力を強化する。
竜気を使った身体強化を発動させ俺は、狼型の魔物の群れに向かって駆けた。
魔物の目前まで迫り、竜気を手のひらから放出する。力の奔流が、魔物の群に直撃し、魔物を吹き飛ばした。
吹き飛んだ魔物は、黒い霧となって消滅する。後には、魔石だけが残っていた。
これは・・・。強化値と威力だけで見れば、群を抜いているな。使い勝手も中々いい感じだが、使いこなすには、相当の練習が必要そうだ。
この調子で、他の魔物も倒してしまおう。
***
手に竜の顎が竜気によって、具現化される。
「竜気法・竜牙」
竜気を用いた攻撃が魔物に直撃し、魔物は霧となって消滅した。
今の魔物が、この森の最強格か。
あれから、森を回って魔物の群れを発見次第倒していった。今倒した魔物がこの辺では、最後の魔物だろう。もっとも、森の中心部付近を中心的に討伐した為、探せばまだ魔物はいると思うが、溢れ出す危険はこれで無くなっただろう。
倒した魔物の魔石を回収する。魔石はいくらあっても困る事はない為、全て回収している。
竜気もだいぶコントロールができるようになってきた。使いこなせれば、今より数段階強くなれるだろう。
さてと、本来の目的である薬草を集めてから、辺境都市に帰るか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます